・菊地大司教の日記(52)二つの修道誓願式、そして訃報…

2019年11月 6日 (水)

二つの修道誓願式

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 10月には、新潟教会での堅信式、あきる野教会、大森教会、高輪教会などで堅信式を行いました。日記更新が滞っていたため、それぞれに日記で触れることができずに申し訳ありません。

 そんな中、10月中の土曜日に、二つの女子修道会で初誓願式がありました。ひとつは10月5日のお告げのフランシスコ修道会、もう一つは10月26日の聖ヨハネ布教修道女会。前者は大田1901区久が原の同会修道院で、後者は聖ヨハネ会が運営に関わる桜町病院のある小金井教会聖堂で、それぞれの修道会でお一人ずつの方が初誓願を宣立され、さらに先輩の修道女の方々が、それぞれの会で修道誓願の銀祝、金祝、ダイアモンド祝を祝われました。

 新たに誓願を宣立されたお二人、節目の年を祝われた先輩シスター方に、心からお祝いを申し上げます。

 修道誓願を新たに宣立する会員が誕生することは、一人修道会にとって仲間が増えたという喜びであるだけではなく、普遍教会全体にとって大きな喜びです。それは奉献生活が、その人個人の信仰生活のためだけではなく、教会にとって意味があることだからです。

 修道者は一体誰のために誓願を宣立するのか。そもそも修道生活は誰のためなのか。修道者は自分のために修道生活を営むのではありません。自分がより信仰を深め立派な宗教者になるためでもなく、自分だけがより神に近くにあるためでもなく、結局のところ、そして至極当たり前のことですが、修道者は神の民全体のために修道生活を営んでいます。神の民全体で、教会の本質的つとめがまんべんなく果たされるように、その固有の役割を果たしているのです。

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 教皇ヨハネパウロ二世の使徒的勧告「奉献生活」にこう記されています。

「奉献生活は、教会の1903使命の決定的な要素として教会のまさに中心に位置づけられます。奉献生活がこれまで教会にとって助けとなり支えとなってきただけでなく、神の民の現在と将来にとって貴重な欠かすことの出来ないたまものであるということです」。

 そして奉献生活者の存在の重要性を、こう指摘します。

「他の人々がいのちと希望を持つことが出来るために、自分のいのちを費やすことが出来る人々も必要です(104)」。

 新しく修道者としての道を歩み始めた方々を見ながら、一人でも多くのキリスト者がそこから信仰における希望を見いだし、自らもその模範に倣おうと決意をされることを祈ります。東京教区の共同体にとって、新たに二人の奉献生活者が加わったことは、大きな喜びであり信仰における希望です。

 

 

そして、新潟教区で二人の司祭が亡くなられた…

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 残念なお知らせです。カトリック新潟教区の司祭が、相次いでお二人亡くなられました。

 今年はすでに、5月と6月に相次いで70歳の主任司祭お二人を病気のために失いました。山頭神父と川崎神父ですが、この二日間でさらにお二人です。すでに引退されていたとはいえ、大先輩の司祭をさらに相次いで失ってしまいました。これで新潟教区司祭は12名となりました。

 11月5日の朝、かねてより入院加療中であったアシジのウランシスコ鎌田耕一郎神父が、肺炎のため帰天されました。91歳でありました。そして11月6日の朝、同じく入院加療中であったロベルト三崎良次神父が、帰天されました。87歳でありました。

 鎌田神父様は現場の司牧に最後までこだわられた方で、幼稚園教育にも力を入れ、3年前に高齢で引退されるまで、幼稚園園長や主任司祭を務められました。

 三崎神父様は10数年ほど前に体調を崩され、わたしが新潟に来てからは、新潟教会内に住まわれて、協力司祭としてミサの手伝いや勉強会などのために働いておられました。今年、司祭叙階金祝をお祝いしたばかりでした。Kamata2005

 新しい司教館が2014年に完成してからは、新潟教会と司教館の間にあるビアンネ館の一階が改装されて、引退した司祭の住居となっていますが、この数年は鎌田神父も三崎神父も一緒にそこに住まわれて、司教館で食事も一緒にしておられました。

 大先輩の司祭を相次いで失い、言葉もありません。お二人のこれまでの司祭としての働きに神様が豊かな報いを与え、永遠の安息のうちに憩わせてくださいますように。

 お二人の通夜は11月7日(木)18時、葬儀は11月8日(金)11時、新潟教会で行われます。わたしは葬儀ミサを司式させていただく予定です。

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 一番上の写真は、7月に三崎神父の金祝をお祝いしたときの司祭団の食事会でのお二人(向かって左が三崎神父、中央が鎌田神父。右端は、町田神父)。その次が、10年ほど前の鎌田神父のクリスマス会での定番の七面鳥係姿。そして最後が、三崎神父の金祝を祝って司祭団で捧げたミサの写真です。

(菊地功=きくち・いさお=東京大司教、新潟教区長兼務 「司教の日記」より)

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2019年11月6日