『行って全ての人に福音を宣べる』緊急課題を実感するこの頃です 。人生の師であるイエス=福音、『私は真理、道、命である』 と宣言する方と親しく出会えたら…と願わずにいられない人々 にしばしば接する機会があり、自分の合掌する気持ちに力が入りま す。
先日、パウロ書院に、仏教の僧侶が来られました。カトリックの霊 性神学書、十字架のヨハネ、アヴィラの聖テレジアの著書などを読 まれ、これまで何体かの聖人の御像を注文されて、祭壇に飾って祈 られている、とのこと。今回も注文の聖ヨハネパウロ2世像を取りに来 られ、『大変尊敬しています』と嬉しそうに、大きな十字架像も購入されました。宗旨を超えて偉大なる方を敬い、祈祷に捧げる敬虔な姿 、エキュメニカルな信仰心を感じます。故プラサンティ僧も、 修院の祝別式に来られたり、僧院を訪ねて、神仏に仕え、人々のた めに祈る、同じ修道の道を歩む意義を熱く語らい、私たちのことを喜ん でくださいました。
早朝から、裸足で祈りながら街をめぐる僧侶の姿が普段にあるタ イ国、40万の出家した僧侶の存在、30万余の寺院。そしてカト リック教会と聖職者2,500人、モスク他…。見えない世界 との接点が身近にある事の意義を改めて噛み締めています。 Something Great である師イエスが啓示された父なる神、聖霊の交わりに自らを浸ら せ、タイでの一粒のパン種として生きる覚悟です。
(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)