・Sr.阿部のバンコク通信 ㊶頭と心と身体が丸ごと一体になったタイ人の信仰

 灰の式を受け四旬節が始まりました。平日にもかかわらず、今年も多勢の信徒と共にミサに与り、回心の機会をいただいたこと、うれしく思いました。

 この日は早朝に修道院を出、最寄りの教会でミサに与り、各自の使徒職の場へ。

 「大斉日に限って空腹を感じるわね」「今朝のミサ信徒が多かったわよ」。夕の食卓での話題は、その日の出来事。確かに教会の折々の典礼行事、大祝日、各教会の保護の聖人の記念日と、その準備の共同の赦しの秘跡… 聖堂はいっぱい、いつも羨ましさを感じます。

 種々の祭り事を面倒がらないで準備し、お祝いするタイ人の習わし。暑くて枯れやすい切花を惜しげもなく祭壇に飾り、祝祭日には、信徒が馳せ参じ、相応しい雰囲気作りを楽しげに準備するのです。

 年に1度の保護の聖人の祝日には、近隣の教会にポスターを貼り、ご招待。聖堂は満員。テントを貼った屋外にも座席が用意され、赦しの秘跡を受けられるように、何人もの司祭があちこちに待機し、大きなスクリーンでミサに与かり、その後、全員に昼食を振る舞うのです。

 果物、アイスクリーム、デザートの屋台まで、大歓迎の教会祭です。親しくなったミャンマーの青年、倹約生活をしていたので、教会のお祝いに誘い、ミサ後、一緒に充分なご馳走を頂いた思い出もあります。信仰厚い青年でした。

 毎月13日夕、ファチマの聖母教会で、ミサとローソク行列があり、時々友人と参加。式後に振舞われる雑炊はすこぶる美味。枝の主日の前日には、手造りの棕梠の葉を用意します、細長い棕櫚の葉で芸術作品を作り、お喋りしながら信徒間の交わり…。

 こちらの教会の生活、習わしに親しみ、理屈っぽい自分の信仰が、柔らかく単純になったな、とほくそ笑んでいます。

 頭と心と身体が丸ごと一体になった感性が息づく信仰、そこに教会共同体づくりの秘密があるように思います。

(四旬節に入りしゅろの枝が生けられたバンコクのセントルイス病院の小聖堂)

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2020年3月2日