・菊地大司教の日記㉘14名の枢機卿親任、首都大司教のパリウム祝福

2018年7月 3日 (火)

ローマにて

 先週は、月曜日の司祭金銀祝のお祝いの翌日火曜日、朝からカリタスジャパンの委員会といつもの血圧の医者通いを済ませてから成田へ移動して、ローマへ飛びました。

 6月28日の午後4時から、聖ペトロ大聖堂において、大阪教区の前田大司教様をはじめ14名の枢機卿親任のための枢機卿会が開催されたことと、その翌日29日の午前9時半から、大聖堂前の聖ペトロ広場で聖ペトロとパウロの祝日のミサが教皇様司式で行われ、それに共同司式で参加するためでありました。

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共同司式に参加したのは、このミサの中で、この一年間に新たに任命された管区大司教(メトロポリタン大司教)に授与されるパリウムが祝福され、手渡されることになっていたからです。(上の写真、教皇様から受け取っているのが私です。私の後ろ、  ひとりおいた次がパリの大司教)

 私を含めて30名の大司教が、今年のミサの中で祝福されるパリウムを授けられることになっており、そのうちの28名がミサに参加しました。ミサの模様は、中央協議会のこのリンクのページにビデオがあります.パリウムの授与は一番最後の方です。

 ちなみにパリウムは、肩掛けのような形状で、司牧の権威と使命の象徴として、教皇と管区大司教が着用します。白い羊毛で編まれた丸い帯状の布で、黒い十字架の刺しゅうがついています。「よい牧者は、失った羊を見つけると、これを肩に乗せる」ということを象徴的に示しています。

 2015年に前田大司教様が授与されたときの式次第の記載によれば、「このパリウムは4世紀ごろから司教の祭服として用いられており、ミトラ(司教のかぶる帽子)やバクルス(司教の持つ杖)よりも古い起源を持つものです。管区大司教は、教会法に基づく任命を受けてから3ヶ月以内に、ローマ教皇に対してパリウムを授与して下さるよう申請することが決められています。パリウムをローマ教皇から受けることによって、管区大司教は、ローマとの交わりの中で、自らの管区における法的な権限を与えられていることを示します」とのことです。

 以前は聖ペトロとパウロの祝日に、教皇様から直接授与されていましたが、数年前から、このミサの中では祝福のみが行われ、教皇様からは箱に入れたパリウムを受け取り、後日それぞれの教区において、教皇大使から授与される形式に変更となりました。ですから今回も箱に入ったパリウムをいただき、後日、今の予定では9月初めに、カテドラルで授与のミサを行う予定です。詳細は後日またお知らせします。

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 今回パリウムを受け取った28名の中には、先日私の着座式に来られたガーナのバックル大司教(アクラ大司教区からケープコースト大司教区に転任、上の写真。聖ペトロ大聖堂内で)、ラテンアメリカカリタスの総裁で、ベネズエラのホセ・ルイス・アズアヘ大司教な  ど、以前から知り合いもおられました。

 29日のミサは、入祭直後、最初にパリウムを受ける大司教が教皇様の前に整列して、誓約の言葉を読み、ミサの最後に一人ひとりが教皇様の前に進み出て、箱に入ったパリウムをいただきました。前日午後に枢機卿に親任され他14名をはじめ、枢機卿団も共同司式。祭壇を挟んで向かって右の私たちプラス外交団と、向かって左の枢機卿団にはテントがあり、厳しい日差しを避けることができましたが、それ以外の共同司式の大司教や司教さんたちは、直射日光の中、厚めの赤い祭服を着て大変だったと思います。

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また祭壇後ろ右手には、聖体拝領を担当した司祭団が控え、こちらも直射日光の中、信仰宣言を唱えるあたりからそれぞれがチボリウムを持ち、祭壇の左右に整列して、これまた暑さで大変だったと思います。この聖体拝領の係の司祭団には、神言会の副総会長キサラ神父、総本部の成井神父、日本管区長のジェブーラ神父も参加。(上の写真で、私が手にしているのが、パリウムの入った箱.一番右端は、神言会 の本部総会計。)

 中央協議会のホームページには、「バチカン放送によりますと、説教で、ペトロの信仰告白の場面について語る教皇は、「ペトロのように、教会もまた、宣教のつまずきとなる悪のささやきに、常にさらされている」と述べ、「キリスト者でありながらも、主の傷と適度な距離を保とうとする誘惑」に

注意を促し、「人間の苦しみに触れるイエスは、わたしたちにご自身とともに隣人の苦しみに触れるようにと招いておられる」と呼びかけました」。

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 説教後、信仰宣言が歌われ、その後の共同祈願では、一番最後に日本語の祈りが聖ペトロ広場に響き渡りました。日本人のシスターが祈りを唱えられました。

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 前日午後の枢機卿会は、大勢の枢機卿さんたちが勢揃いして、あの深紅のスータンですから、壮観でした。参加する司教や大司教、そして枢機卿にも服装の指示が事前にあり、私はアビトコラーレと呼ばれる、いわゆる赤というか紫のスータンで、また新しい枢機卿たちは、大聖堂に来るとき指輪はつけず、スケットもつけないでと。もちろん教皇様から指輪とビレッタ(深紅の帽子)をいただくからです。

 枢機卿会終了後、新しい枢機卿様たちは教皇様に連れられて聖ペトロ大聖堂裏手に住まわれているベネディクト16世名誉教皇を訪問されたそうです。その後、パウロ6世謁見ホールに場所を移し、それぞれの新しい枢機卿がスタンドを設け、そこで一般の方々からの祝福の挨拶を受けられました。また前駐日バチカン大使であったボッターリ大司教もお祝いに駆けつけてくださいました。(写真上:パウロ6世謁見ホールでの前田枢機卿と、アベイヤ被選司教。中央後ろ姿は私で、話しているのはバングラデシュのパトリック・デロザリオ枢機卿様)

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 なお日本からも参加された方々がおられましたし、ローマ在住の日本人の信徒や修道者の方々も大勢参加されました。真夏のような暑さのローマで、皆さんご苦労様でした。29日の午後には、駐バチカン日本大使のご厚意で、大使公邸を会場に大阪教区主催の感謝レセプションも開かれ、各国の外交官やバチカン関係者など、多くの方が参加し、前田枢機卿様のこれからの活躍の上に、神様の祝福を皆で祈りました。(右の写真は、ミサに出かける前に、神言会総本部で、キサラ副総会長と)

7月8月の主な予定

あっという間に関東の梅雨は明け、真夏のような7月が始まっています。7月と8月の主な予定を記しておきます。

  • 7月4日 ペトロの家司祭ミーティング (朝)Cjcamp18zero

  • 7月5日 常任司教委員会 (10時、潮見)

  • 7月5日と6日 神学院常任司教委員会 (東京キャンパス)

  • 7月6日 カリタスウガンダ講演会 (聖心女子大学)

  • 7月7日 排除ゼロキャンペーン・アクションデー (午前中、関口教会)

  • 7月7日 国際ミサ (キャンペーン行事) (15時、東京カテドラル)

  • 7月8日 下井草教会堅信式 (9時半、ミサ)

  • 7月9日~13日 司教総会 (潮見)

  • 7月14日 FABC/OHD (アジア司教協議会連盟人間開発局)会議 (全日、マニラ)

  • 7月16日 大阪教区司教叙階式 (11時、玉造教会)

  • 7月17日 新潟教区顧問会など (全日、新潟)

  • 7月18日・19日 東京教会管区会議 (札幌教区)

  • 7月21日 宣教司牧評議会 (14時半)、永代働く人の家 (夕方)

  • 7月23日 HIV/AIDSデスク会議 (13時、潮見)

  • 7月24日 ペトロの家運営会議 (14時)

  • 7月25日 マリアの宣教者フランシスコ会瀬田修道院 (午後)

  • 7月26日・27日 聖体奉仕会 (秋田)

  • 7月29日 豊四季教会英語ミサ (14時)

  • 8月3日 日本カトリック医療施設協会全国大会 (都内)

  • 8月11日 平和旬間行事、平和祈願ミサ (14時、イグナチオ、18時、東京カテドラル)

  • 8月12日 平和旬間行事、ミサ・講演 (10時、上野教会、18時半、立川教会ミサのみ)

  • 8月15日 聖母被昇天祭

  • 8月17日 新潟教区保育者研修会 (新潟)

  • 8月19日 宮古教会ミサ (岩手県宮古)

  • 8月21日 EWTNインタビュー収録 (午前中)

  • 8月22日 生涯養成委員会 (夕方)

  • 8月24日 仙台教区サポート会議 (10時、仙台)

  • 8月25日 神言会宣教事務局講演会 (13時半、吉祥寺教会、16時ミサ)

  • 8月27日 カリタスジャパン事務局会議 (9時半、潮見)

  • 8月28日 カリタスジャパン会議 (午前午後、潮見)

  • 8月29~31日 教区神学生合宿

 

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