・三輪先生の現代短評①全体主義の台頭許すべからずー個人主義のサムライ文化振起すべし

 昨日、封切り日の朝一番に、映画「散り椿」を観てきた。感動した。

 葉室麟原作の映画化である。今日の世相へ「個人主義」の一針を突き立てたものと感じた。「全体主義」の足音への知的批判と読めた。

 手元に『危機の時代と「知」の挑戦』と題する上下2巻本がある。中野晃一、村上雄一など海外の大学で研鑽した者を含み当代を代表する社会科学者による時宜をえた著作である。本書を企画した長谷川雄一は編著者を代表してこう記している。

 「日本がそして世界があてどなく『漂流』し続けているともいうべき今日の危機的状況において社会科学を生業にしている者は如何にこの状況を分析解明しそれに立ち向かうべきなのかというのが、本書のテーマである。

 端的に言って、最大の関心事は「全体主義」の澎湃とした台頭にどう立ち向かうのかということにある。

 サムライ文化の中の「封建主義」的自己犠牲は排除し、全体主義に果敢に立ち向かうサムライ文化を振起したいものである。   (2018 9 29記)

(三輪公忠=みわ・きみただ=上智大学名誉教授、元上智大学国際関係研究所長)

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2018年9月29日