・10月の「福音宣教のための特別月間」に向けて-菊地東京大司教が指針

(2019.8.23 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは今年10月を「福音宣教のための特別月間」と定められたが、菊地・東京大司教は21日、東京教区信徒に向けた特別月間のための以下の指針を発表した。他教区にとっても参考になるものと思われる。

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 「福音宣教のための特別月間について」

 祈りの内に今年の平和旬間を終えました。皆様の祈り、様々な企画への参加に感謝いたします。

 日本の教会においては、教皇フランシスコの来日の正式発表が待たれております。教皇フランシスコは、今年10月を「福音宣教のための特別月間」と定められ、福音宣教への新たな熱意を教会内に生み出すようにと、世界の教会に向けて呼びかけられています。

 教皇庁福音宣教省は、教皇の呼びかけを具体化するために、全世界の教会に対して特別月間の取り組みを企画実行するように指示をされ、日本の司教団も、3月17日付で、「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」と題した呼びかけ文を発表しております。

 もとより福音宣教への取り組みは、特別な人たちの特別な努めなのではなく、キリストに従うものすべてに対して与えられている根本的な使命です。私たちキリストに従って生きるものは、それぞれの置かれた場の状況に応じて、またそれぞれに与えられたタレントに応じて、福音をあかしすることが求められています。

 しかもそのあかしは、私たちの日々の生活における言葉と行いによって実行されなければなりません。さらに言えば、自らの心の内に何も蓄えを持っていなければ、当然それについて語ることも行動することもできないのですから、福音宣教を深め実行するためには信仰の体験と学びも欠かすことができません。心に豊かな蓄えがあってはじめて、わたしたちは何かを語り、行い、それによってあかしするつとめを果たすことができるのです。

 その意味で、この特別月間にあっては、霊的な側面と知的な側面の両方で、福音宣教についての心の蓄えを豊かにしていくことが求められます。またその特別な取り組みは、わたしたち一人一人だけに留まらず、教会共同体全体を豊かにしていくことでしょう。

 東京教区にあっては、司教団が整えた特別月間の祈り、「ともに喜びをもって福音を伝えるための祈り」を10月の間に日々唱えるとともに、各宣教協力体や小教区において、福音宣教に関連して何らかの学びの機会を設けてくださるようにお願いいたします。

 なおこの時期は、教皇様の来日準備に多方面で取り組んでいることが想像されますので、教区としての特別な行事は行いませんが、すでにある様々な取り組みの機会を十分に活用して、世界の教会と心を合わせていきたいと思います。ここにいくつかの提案を示します。ご参考にされますように。

 ①10月中の主日のミサの共同祈願に意向を加える ②教皇フランシスコの著作、メッセージなどを分かち合う ③「世界宣教の日」(10/20)のカテドラルでの晩の祈り(17:00)は、聖体礼拝を伴う晩の祈りとし、福音宣教のための意向で、私、菊地功が司式いたします ④東京教区にゆかりのある信仰の先輩と出会う巡礼の勧め ⑤アジアの教会同士で祈り合うプログラムへの参加の勧め

 上記以外にも、各小教区、各修道院、各共同体などで工夫した取り組みもされるように願います。

 東京教区としては、10月までに「福音宣教のための特別月間」を過ごす参考資料として、小冊子を準備し、配布を予定しております。教皇様を日本に迎える準備としても、この10月の「福音宣教のための特別月間」を、豊かに過ごして参りましょう。

 2019年8月21日 カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

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 10月はロザリオの月です。聖母マリアの取り次ぎにいつも以上に信頼しながら、聖母を通してイエスへと至る道を歩み続けたいと思います。主イエスとともに受難の生涯を歩まれた母の取りなしを、イエスが聞き入れないはずがないと、私たちは信じています。

 また今年の10月は、福音宣教のための特別月間です。東京教区では、そのためのパンフレットを用意して、各小教区に配布したところです。パンフレットのPDF版が教区ホームページのこのリンクに掲載されていますから、ご自分でダウンロードして印刷していただくことも可能です。教皇様を迎える前に、あらためて福音を宣べ伝える使命をどのように果たすことができるのか、このひと月、考えてみたいと思います。(2019年9月30日)

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2019年8月23日