・香港で”不正”な土地収用に抗議したカトリック女性活動家が控訴棄却され有罪確定

Catholic activist jailed after Hong Kong court rejects appeal

Yip Po-lam (third from left) has been jailed for two weeks for protesting about a development plan in Hong Kong. (Photo supplied by Justice and Peace Commission of Hong Kong Diocese)

(2019.3.30 カトリック・あい)

 香港のカトリックの有力女性活動家が28日、公序に反する行為をしたとして禁固二週間の刑が確定した。カトリック・ニュースメディアのucanews.comが同日付で伝えたもので、土地収用で住民が立ち退きを余儀なくされ、環境が破壊される、として香港当局に対し抗議活動をしたのを理由に逮捕され、裁判所の有罪判決を不服として控訴していたが、同日棄却されたという。

 有罪とされた活動家はカトリック香港教区の正義と平和委員会のメンバー、Yip Po-lam(葉寶琳)さん。容疑は、5年前に香港特別行政区立法会の前で行われた抗議行動に参加したこと。今回の投獄に、カトリック教会や教会関係の労働組合から嘆きの声が上がっている。

 ucanews.comによると、今回の案件は、来月に裁判所の聴聞が予定されている“雨傘運動”と民主活動家たちが香港のビジネス街の機能を三か月にわたって停止させた2014年の事件に関する裁判の前哨戦、とみられている。この運動は、中国への香港返還後も完全な自由選挙を守るとした英国と中国の合意が守られず、中国政府の強権で合意が踏みにじられている、として抗議し、合意の履行を求めて行われた。

 香港カトリック施設従業員協会のアレクサンダー・ユー会長はucanews.comに、彼女の行動は民衆に開発計画の不正を検証するように求めた純粋な動機によるもの、と弁護し、「カトリック教会の社会教説は隣人への愛は社会正義を守るよう私たちに強く勧めている」と訴え、正義と平和委員会のジャッキー・ハン氏も、当時のデモは平和的なものだった、とし、香港における平和的な抗議運動への規制は当時よりも強まっており、「香港政府当局の圧政が弱まることはないでしょう。私たちも覚悟しなければ… 正義のために戦い続けます」と訴えている。

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2019年3月30日