・豪アデレードの司教に性的虐待隠ぺいで禁固1年の判決

Australian Archbishop Philip Wilson arrives for sentencing at Newcastle Local Court in Newcastle, Tuesday, July 3, 2018. Wilson, the most senior Catholic cleric in the world to be convicted of covering up child sex abuse, was sentenced to 12 months in detention. (Credit: Darren Pateman/AAP Image via AP.)

(2018.7.4「カトリック・あい」)

 AP通信など報道機関がオーストラリアのキャンベラ発で伝えたところによると、同国ニューキャッスル州のロバート・ストーン治安判事が3日、アデレード教区長のフィリップ・ウイルソン大司教に対し、幼児性的虐待を隠ぺいした罪で12か月の拘留を言い渡した。仮釈放が適当と判断されるまで、少なくとも6か月は刑に服することとしている。

 ただし、彼はすぐAustralian bishop sentenced to year’s detention for cover-upには拘留されず、治安判事が8月14日に拘留か「自宅謹慎」かいずれが適当かを判断し、「自宅謹慎」の場合はニューキャッスル州の彼の姉妹の家に身を寄せることになる。

 67歳のウイルソン大司教は5月にニューキャッスル地方裁判所で、シドニー北部の教会で幼児性愛の司祭が1970年代に教会奉仕の少年2人に繰り返し性的虐待行為を働いたのを知りながら、警察当局への報告を怠った、として有罪判決を受け、具体的な刑期は禁固2年以下の範囲で改めて判断が示されることになっていた。

 ストーン治安判事は、大司教が報告を怠った動機は、教会そのものとそのイメージを守ることだったが、「何十年にもわたる性的虐待とその隠蔽によって教会共同体を荒廃させた」と断じた。

 今回の判決は、同国出身で教皇フランシスコがバチカンの財務事務局長に任命していたが、現在、幼児性的虐待で公判中のジョージ・ペル枢機卿を含む世界的な聖職者による性的虐待と隠ぺい問題にさらなる進展をもたらすことになった。オーストラリアをとってみても、今回の高位聖職者に対する厳しい判決をきっかけに、さらに多くの聖職者が罪に問われる、と見る司法関係者もいる。

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2018年7月4日