・昨秋のバチカン・中国”暫定合意”以後で初の司教叙階(ucanews)

First bishop ordained since Sino-Vatican deal

Bishop Yao Shun of Jining (second right) receives his episcopal ordination on Aug. 26. (Photo supplied)

(2019.8.28 カトリック・あい)

 バチカンと中国政府が中国国内の司教任命について昨年9月に暫定合意して以来、初めての司教叙階が26日行われた。

 アジアの有力カトリック系ニュース・メディアucanews.comが26日の香港発で伝えたところによると、司教に叙階されたのは、内モンゴル自治区の済寧教区の Anthony Yao Shun神父(52)。叙階式はフフホト教区長で政府系の中国天主愛国協会副会長のPaul Meng Qinglu司教ら4人の司教による共同司式で、26日、済寧市のロザリオの聖母マリア大聖堂で行われた。

 ucanews.comによると、叙階式では、中国カトリック司教協議会(BCCCC)の叙階同意書が読み上げられ、Yao司教は「カトリック教会の司教選出の伝統とBCCCの規則に従って」選ばれた、とし、「叙階と正当な選任の後、われわれはここに公式の同意を与える。彼は教皇の同意を得ている」と正当性を強調した。

 現地の関係者がucanews.comに語ったところでは、叙階式のミサには120人以上の司祭、50人の修道女、1000人以上の一般信徒が参加し、当局の警備は最小限にとどめられ、円滑に進められたという。済寧教区のある司祭は、「自分たちの教区は福音宣教に努め、信徒たちとのつながりを大切にしており、Yao司教は、自分の教区をどのように発展させたらいいかを知っている 」と期待を語った。

 済寧教区には、7万人の信徒、31人の司祭、12人の修道女がおり、Yao新司教はこれまで同教区の司教代理を務めていた。Yao司教は、中国の神学院で学び、1991年に教区司祭として叙階され、国内で活動した後、渡米してニューヨークのセント・ジョン大学で神学を学び、2010年に帰国。昨年9月の暫定合意以来、初めて叙階された司教となったが、実際は2010年にバチカンから内密に司教と認められていた。

 ucanews.comによると、現在、バチカンから承認され、中国政府の同意を待っている司教候補は20人いる、という。

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2019年8月28日