・”地上教会”が新評価制度導入-中国政府・共産党に非協力な司祭を”追い出す”狙い?

(2019.5.1 カトリック・あい)

 昨年9月のバチカンとの司教任命を巡る暫定合意以降、政府・共産党への服従を拒む”地下教会”への圧力が加速する中国で、”地下教会”の司祭追い出しを狙ったと思われる新たな措置が取られることになった。

 アジアの有力カトリック系ニュース・メディアucanews.com が4月30日付け香港発で伝えたところによると、中国で浙江省に次いで多い、30万人のカトリック信徒がいる河南省で、政府・党に従属する中国天主愛国協会(CCPA)とカトリック教会委員会の同省支部が司祭の評価に関する新制度を導入した。

 省内のある司祭がucanews.comに語ったところでは、聖週間に、CCPAから評価を行う旨の通知があり、数日後に WeChat(中国の大手IT企業テンセントが作ったインスタントメッセンジャーアプリ)でこの新制度を知った。評価は、CCPAなど二つの組織から「中国カトリック聖職者証明書」をもつ全司祭を対象に毎年行われ、中国教会への忠誠、愛国、道義、法の順守、教会法の顕示、活動、神学的知識、社会奉仕の各項目についてチェックされる。各項目はそれぞれ項目によって10点から15点を満点とし、合計点が55点以下、あるいは政府・党の宗教活動規制に違反すると、”落第”と判定され、聖職者としての職務の遂行を禁じるなどの措置を受ける、という。

 別のカトリック関係者はucanews.comに、新制度の狙いは政府・党の言うことを聞こうとしない聖職者を追い出すことにあり、「評価の権限は司教に与えられることになるだろう。政府・党による人民の管理手法そっくり。教会の制度ではない」と懸念している。

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2019年5月1日