・冒とく罪で死刑判決受けたキリスト教徒女性、最高裁で無罪-パキスタン

(2018.10.31 バチカン放送)

 パキスタンで、8年前、冒とく罪で死刑判決を受けたキリスト教徒女性が、10月31日、最高裁で無罪となった。

 パキスタンの最高裁判所は10月31日、イスラム教への冒とく罪で2010年に死刑判決を受けた、キリスト教徒の女性、アーシア・ビビさんに無罪判決を下した。

 ビビさんは2009年、イスラム教徒の女性同僚たちとの口論で「預言者ムハンマドの名を侮辱した」との容疑で逮捕され、2010年に死刑の判決を受け、8年間、死刑囚として収監されていた。

 ビビさんの死刑判決に対し、早くからキリスト教共同体や人権擁護団体は、ビビさんを擁護し、その無罪を支持すると共に、宗教的少数派に対する圧力や迫害を非難してきた。

 最高裁における無罪判決に、ビビさんの家族やキリスト教共同体、支援者たちは大きな安堵と喜びを表したが、首都イスラマバードでは、ビビさんの無罪に対する抗議集会が計画され、300人の警官が最高裁の周りで警戒態勢をとり、公官庁などの保安維持のために軍隊も派遣されている。

 教皇フランシスコは今年2月、バチカンでビビさんの夫と娘に面会。前教皇ベネディクト16世も、2010年にビビさんの即刻解放を願うアピールを発表していた。

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2018年11月4日