・中国各地でクリスマスのミサ、関連行事、物品販売禁止の動き

(2018.12.21 カトリックあい)

 9月にバチカンと中国政府が国内の司教任命について”暫定合意”した後の、中国側の対応が注目されているが、クリスマスを前に、国内では地域によって関連の行事や”宗教的宣伝行為”を当局が禁止する動きが出ている。

(写真は、昨年12月25日に撮影された、北京のレストランの入り口で観光客を待つサンタの帽子をかぶったツアー・ガイドの女性。中国本土の地方当局の中には今年のクリスマスを祝うのを禁止することろもでている、という。=State bans Christmas in parts of China, Santa includedPhoto y Wang Zhao/AFP)

 中国情報に詳しいカトリック系ニュースサイトucanews.comが香港発で20日伝えたところによると、キリスト教徒に対する規制を中国当局が強めているように見える中で、目前に迫ったクリスマスに関する規制を強化するよう指示した、という。それによると、中国内の様々な地域で、当局により、店舗や露店も”物議をかもす”と判断された商品の販売が禁止されている。

 教皇に忠誠を誓い、中国政府・共産党の支配・監督を拒否している”地下教会”の中には、家庭集会その他、政府から認められていないものも含めて、いかなる集まりもしないように、と指示を受けている、という。

 中国北東部のある地下教会の司祭はucanews.comの取材に対し、匿名を条件に「多くの地下教会が、『降誕祭のミサを、関連の行事なども含めて取りやめよ』という指示を受け入れています。警告は受けていませんが、指示に従うしか、選択肢はありません」と苦悩を訴えた。

 ucanews.comによると、河北省の廊坊市管理局は15日、全警察署に対して、「街頭にクリスマスツリーやサンタクロースなどあらゆるクリスマス関連の物の展示を行うことを全面的に禁止する」ことを求めた。さらに、「すべてのクリスマスの張り紙、のぼり、印、電光掲示板、そのたクリスマスに関する物品を排除する」よう指示した、という。

 公園や大型ショッピングセンターなどでもクリスマス関連の催しなどは厳重に禁止されており、違反がないように監視・報告の体制がとられている。学校、公園、ショッピングセンター、スーパーマーケット、商業地域に対しても当局は監視体制をとっており、クリスマスツリーやクリスマスアップル、サンタクロースに関連する帽子、衣料などの物品の販売が見つかれば処罰される、という。

 中国では、最近、祝祭日や欧米の文化に接する機会の少ない中で、若者たちの間でクリスマスが人気を強めており、昨年はクリスマスアップルの売れ行きが爆発的になり、価格も高騰した、という情報もある。共産党機関紙系列の国際英字紙、Global Timesは、重慶市のある学生はわずか二週間で、4000個以上を売り上げた、と批判的に報道しており、宗教も含めた文化の「中国化」を協力に進める習金平政権が、こうした”欧米の宗教、文化”に若者世代が染まるのを警戒していることが、クリスマスに対する規制にも表れているようだ。

 

 

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2018年12月21日