・中国共産党統一戦線工作部の高官が”地下教会”の愛国協会への統合促す-”自主・独立”60周年記念で

China's seminaries should 'strengthen political education'

12月18日に開かれた「中国の司教”自己選出””自己叙階”60周年記念」のシンポジウム (Photo supplied)

(2018.12.24 カトリック・あい)

 中国政府・共産党が、9月のバチカンとの司教承認に関する暫定合意後、各地で、教皇に忠誠を誓い、政府・党の支配・監督を受け入れない”地下教会”への圧迫の動きが目立っているが、そうした中で、中国政府による司教の選出、叙階を始めて60周年を記念するシンポジウムが開かれた。

 中国情報に詳しいアジア地域のカトリック系メディア、ucanews.com が24日、香港発で報じたところによると、このシンポジウムは中国のカトリック司教協議会と中国天主愛国協会が主催して18日、中国東部の江蘇省南京市のカトリック教会に隣接する金鷲国際飯店で開かれた。

 ucanews.comによると、同会議には、中国共産党中央統一戦線工作部(UFWD)のWang Zuoan(王作安= 兼 中国国家宗教事務局局長)副部長が出席し、全国から集まったカトリックの司教、司祭、修道女、一般信徒など100名以上の参加者を前に、「自主、独立と自己統治の原則-『バチカンからいかなる干渉も受けない』ことを意味する隠語ーが順守されねばならい、と強調した。

  UFWDはカトリックの中国天主愛国協会と中国司教協議会など五つの宗教の”国営組織”を直接規制・管理しているが、副部長はさらに、「この公式の原則は、カトリックの主導権が『国と教会を愛する』者の手にあることを保証するものだ」と述べ、いかなる外国の宗教組織、外国権力も、中国のカトリック教会を管理、操作することで、国益を危険に追いやることはできない、としたうえで、「よって、神学校はイデオロギー的、政治的教育を強化し、管理監督制度を設け、教師と学校の質を改善するための教育設備の整備を加速せねばならない」と指示。また、参加者に対して、”地下の勢力”を親政府の愛国協会に引き入れる必要のあることを想起させた。

 会議に出席した司教たちと中国共産党中央統一戦線工作部のWang Zuoan,(王作安)副部長(中央) (Photo supplied)

.シンポジウム参加者の集合写真. (Photo supplied)

  このシンポジウムは、クラウディオ・マリア・チェリ大司教らバチカン代表団が9月の暫定合意後、初めて中国入りし、これまで”地下教会”の司教が務めていた教区長のポストを政府公認の愛国協会の司教に交替するのを見届けてから、8日後に開かれた。

 

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2018年12月25日