・中国の”地上教会”司教団代表が”中国化”推進を、新年に誓う

Chinese bishops' chief vows to press ahead with Sinicization

写真は、ヨゼフ馬英林・昆明教区司教(右)(ucanews.com photo)

(2019.1.23 カトリック・あい)

 バチカンと中国政府が昨年9月に、国内の司教任命について暫定合意に署名した後、その具体的な合意内容も明らかにされないまま、国内の宗教活動の統制・監督を行う中国共産党中央統一戦線部とその支持を受けた地方当局によるカトリックなどキリスト教会への締め付けが厳しさを増しているが、今度は、中国のカトリック司教団(中国天主教主教団=BCCCC)団長が、キリスト教の”中国化”推進に中国天主愛国協会(CCPA)と協力して働くことを誓う、と表明した。

 ucanews.com が22日、香港発で伝えたもので、同司教団のヨゼフ馬英林・昆明教区司教(中国天主教愛国会副主席を兼務)がこのほど、北京で中国共産党中央統一戦線工作部(UFWD)の王作安 副部長( 中国国家宗教事務局局長を兼務)と会った後、明らかにした。馬司教は「BCCCCとCCPAは、中国共産党と政府の信頼に恥じることの無いようにする」とししたうえで、「新年に当たって二つの団体は勉励し、心を一致させ、真剣に考え、現状に従って活動することに努め、中華人民共和国の設立70周年に満足いく結果をもたらすことができるように、”中国化”の道を大きく、好ましく進み続ける」と言明した。

 一方で、王副部長は、馬司教の北京訪問にあたり、「司教たちの選任、性別と”地下教会”司教たちの転向は成功裏になされねばならない」と強調、CCPAとBCCCCに対して「責任と使命を強く堅持し、カトリック教会の大勢の信徒たちを、中国人の特質と共に、『習近平主席の新時代の社会主義』を通して学習を続けるように、指導する」ことを求め、さらに、「教会の『独立、自主、自己統治』の道を進め、教会を民主的に運営する必要がある...”中国化”の進展を定期的にチェックし、組織の見直し、改善と強化しなければならない。教会敷地内に五星紅旗を高く掲げることが重要だ」と指示したという。

 なお馬司教は53歳で、2006年に教皇の承認を得ずに、中国当局が司教とし、2010年にBCCCCの団長、CCPAの副主席に選ばれた。この二つの団体はいずれもバチカンから認められていない。だが、バチカンは、昨年9月の暫定合意で馬司教を他の6人と共に正式な司教として追認していた。

 なお、王副部長は、昨年12月に中国東部の江蘇省南京市で開かれた全国から集まったカトリックの司教、司祭、修道女、一般信徒など100名以上の参加者の会議に出席し、「自主、独立と自己統治の原則-『バチカンからいかなる干渉も受けない』ことを意味する隠語ーが順守されねばならい」と強調、「この公式の原則は、カトリックの主導権が『国と教会を愛する』者の手にあることを保証するもの。いかなる外国の宗教組織、外国権力も、中国のカトリック教会を管理、操作することで、国益を危険に追いやることはできない」としたうえで、「神学校はイデオロギー的、政治的教育を強化し、管理監督制度を設け、教師と学校の質を改善するための教育設備の整備を加速せねばならない」と指示している。

 

 

 

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2019年1月23日