・中国の二つのカトリック教区が、政府・党統制下の愛国協会に強制加盟へ

(2019.6.4 カトリック・あい)

 昨年9月のバチカンとの司教任命を巡る暫定合意の後、”地下教会”壊滅へ圧力を加速させる中国政府・共産党が、今度は国内の二つの教区を政府・党の統制下にある全国組織「中国天主愛国協会(CCPA)」に強制加盟させようとしている。

アジアの有力カトリックサイトucanews.com が3日、香港発で伝えたもので、中国本土の関係者は、カトリックの全ての教区をCCPAに強制的に加盟させ、国内の全カトリック教会を厳しい統制下に置こうとする動きの始まりとなるのではないか、と懸念している、という。

 ucanews.comに関係者が明らかにしたところよると、このうち、福建省の福州教区の全ての教会はCCPAに加盟するよう”求め”られ、司祭の何人かが中国を離れるのを禁じられた。当局は、福州教区にこのような働きかけをした際、同省の 閩東教区は既に加盟を受け入れた、と言明した、といい、別の関係者は、昨秋の暫定合意で権限を得た政府・党の統制に服する司教たちの一人が既に、閩東教区の教会の指導権を取っている、としている。

バチカンと中国政府の間で昨年9月になされた暫定合意はその具体的内容がいずれの側からもいまだに明らかにされず、8か月を過ぎた今も「正式合意」に至っていない。その原因は、中国側がバチカンの意図に反して、教皇にのみ忠誠を誓う”地下教会”の壊滅に向けた圧力を強めているとみられることに、バチカン側が懸念を強めているため、との見方が、教会関係者にある。バチカン、なかんずく教皇フランシスコがこの問題について、今後どのような判断を下すのか、注目される。

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2019年6月3日