・中国で「若者参加のサマーキャンプを開いた」と”地下教会”の司祭二人を追放

(2018.8.10 「カトリック・あい」)アジアの動きを中心に報道する独立系カトリック・メディアUCANews(https://www.ucanews.com/)が9日付けで伝えたところによると、

 中国北西部・甘粛省で”地下教会”(中国政府・共産党非公認のカトリック教会)の司祭二人が、「若者たちが参加するサマーキャンプを教会で開いた」ことを理由に、所属教会から追放された。

 UCANewsは、追放措置に遭ったのは Wang Yiqin 神父とLi Shidong神父で、甘粛省の第二の都市、天水市の教区のMaijiqu Ganquan教会に所属しているが、天水市の民族・宗教問題委員会はこのほど、中国政府公認の”中国カトリック愛国協会”の地方部会に手紙を送り、更迭する2人の司祭の代わりをこの教会に派遣するよう求めた。更迭の理由は、この教会で「ボスコ・ユース・グループ」のためのサマーキャンプを行った、というもので、合わせて、2人を実家のある町に送り返すよう指示した、と報じた。

 天水市の民族・宗教問題委員会が7月21日に発出した手紙では、問題の教会には”愛国協会”の人間は関与しておらず、”地下教会”の司祭の根拠地になっていた、としたうえで、「法律と宗教問題に関する規制にしたがって宗教的な諸事の管理を強化するため」、”協会”から、この教会に人を送るよう指示している。

 この件について、甘粛省・カトリック愛国協会、カトリック管理運営委員会の副理事長で事務局長のZhao Jianzhang 神父はUCANewsに対して、この問題について知らされ、教区事務局は手紙をもらったが、私は現在、地方に出ているので、事務局に戻ってからこの案件を取り扱いたい、と述べた。

  またUCANewsに対して、関係筋は「現在の状況を壊したいと考える人々が(地方の)政府内部にいます。彼らにとって、”地下教会”は存在することを許さず、”地上”に出なければならない、のです。なぜなら、中国の北西部地域で”地下教会”が残っているのは天水だけだからです」と、地元政府の強硬姿勢の理由を説明している。

 2人が所属しているMaijiqu Ganquan教会は天水教区に残る二つの”地下教会”の一つ。1921年に開かれ、7000平方メートルの敷地に教会、関係の建物、司祭館などが建てられている。Yuanbeidao地方政府から設置を認められていた。

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2018年8月10日