・中国が思想統制を強化、教科書から「聖書」と「神」消える(CJC)

 【2019.6.3CJC】「欧米の侵入」を防ぎ、学校から宗教を排除するため、中国共産党は名作文学、国語および歴史の教科書の内容を変更している。中国の信教の自由と人権について報道するオンラインメディア『ビターウインター』(日本語版)が5月30日日伝えた。

 2018年、中国共産党 は中国全土で学校での信教に反対する運動を立ち上げ、宗教信仰と戦うことを約束する宣誓書への署名を生徒に強要し、クリスマスを含むキリスト教の祝日をボイコットさせていた。さらに、授業のカリキュラムが検査され、「教育と授業が政治の正しい方向性と一致」するように、「特別な支援プログラム」を通して教員の教化が行われている。

 宗教色の濃い授業を完全に排除するため、現在、中国共産党は小学校と中学校で使われている、海外の作家が執筆した作品の内容を修正している。

 河北省の学校に通う生徒の親によると、一部の本の中身が、2019年1月に人民教育出版社から出版された6年生向け教科書の新版で削除または変更されていたようだ。

 中央政府は、小中学校の教科書が国の方針と一致していること、そして、国の意志を伝える教育の方針を、統一した教科書を通じて実行することを求めているようだ。中国共産党の全体主義の支配下では、改訂は宗教の分野に制限されているわけではない。中国共産党の思想に反する表現が検閲を逃れることができる可能性は低い。

 人民教育出版社が出版した新編学生辞典の漢字「自」の項目では、「自由」が削除された。

 一部の学校は、毛沢東の個人崇拝を復活させる取り組みまで行っている。2018年12月26日、河南省の小学校に建てられた毛沢東の新たな像を披露する式典で、村の党の書記が毛沢東を「中国人の守り神であり、偉大な精神の象徴」と呼んでいた。

 教科書の検閲は、生徒の無神論及び共産主義の教化に沿って行われる。若い世代の習慣を活用し、モバイルアプリが学校で用いられている。新しい世代を共産党の忠実な後継者、そして、新たな「偉大な指導者」習近平の信奉者に仕立て上げることが目的だ。人民日報少年網アプリは「新しい考えを学び、優れた後継者になる」というテーマの下、記事を読み、質問に答える読書活動への参加を全生徒に要求している。青年大学習構想では、「学習強国」アプリを用いて、習近平主席のスピーチの学習を推奨している。□

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2019年6月4日