・中国「地下教会」の司教と司祭、当局の拘束解かれる

(2018.12.1 カトリック・あい)

 中国の宗教規制当局によって逮捕、拘束されていた浙江省の温州教区の「地下教会」の責任者、 Shao Zhumin(趙注明)司教と司祭1人が解放された。

 アジア地域の有力カトリック系インターネットニュースucanews.comが11月30日に伝えたところによると、11月9日に逮捕された司教は23日、解放され、昨年12月から拘束されていた麗水市の司祭も22日に拘束を解かれた、という。解放された司祭は、これまで担当教会の近くにある当局が取り調べに使うホテルに監禁され、当局の管理統制下にある「地上教会」-天主教愛国協会-への帰属を強要されていたが、彼の兄弟が病に倒れ、看病の必要があることから解放された。

 趙司教は55歳、1999年以来、これまで7回にわたり繰り返し拘束され、当局から繰り返し「地上教会」への帰属を強要されてきたが、今回の解放が、どのような当局の意図で行われたのか、司教の態度に変化があったのか、定かでない。

 地元の信徒がucanewsに語ったところでは、最近では教区の(注:中国政府・共産党の監督・統制を拒む「地下教会」の)教会に当局が出向き、「(注:「地上教会」の)司教をバチカンが承認した暫定合意は、以前の教皇たちのしていたこと(中国当局が司教になることを認めた者は教皇が承認しない)が誤りだったことを意味する。(注:教皇フランシスコは)これまで8人の”不法”な司教たちに課していた制裁を引っ込めたのだ」と説明し、地上教会への服従を要求している。

 この信徒は「そうではなく、むしろ、赦しを求めるのは彼ら(注:「地上教会」)であり、彼らが教皇の教会に立ち戻ることをお認めになったのだ、とバチカンは言っています」とするものの、今回のバチカンと中国の暫定合意は、地元の教会の信徒たちを、どう受け止めていいのか、当惑させている。いずれにしても中国における「地下教会」の置かれた状況が改善することはない、と悲観的な見方は改められないようだ。

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2018年12月1日