・マザー・テレサの修道会で赤ちゃん売買が発覚(CJC)

 【2018.7.7CJC】「コルカタの聖テレジア」と呼ばれ、ノーベル平和賞受賞者マザー・テレサが1950年にインドで創設した女子修道会『神の愛の宣教者会』(総長シスター・メアリー・プレマ)は7月6日、同会所属の修道女と職員の女性が未婚の母親たちが産んだ赤ちゃんの人身売買容疑で逮捕されたことを受け、「遺憾」の意を表明した。

 AFP通信が報じるところでは、インド東部ジャルカンド州の州都ランチーの警察は5日、『神の愛の宣教者会』の施設の一つで少なくとも5人の赤ちゃんを売った容疑で修道女と職員の計2人を逮捕した。この事態を受け、『神の愛の宣教者会』は、「ランチーにある私たちの施設で起きたことにショックを受けている。あってはならないことだ」として、「このようなことは私たちの道徳的信条に反している。この問題について慎重に調査し、このようなことが二度と起きないようあらゆる必要な措置を講じる」と述べた。

 事件が発覚したのは、地元の児童福祉局が今週、「未婚の妊婦や困窮する母親の面倒をみている同修道会の施設にいた新生児1人が行方不明になっている」と、警察に通報したことがきっかけ。現地のPTI通信によれば、2人が逮捕された翌日の6日、同施設で生活していた少女13人と同修道会が運営している近隣の施設にいた子ども22人が、それぞれ別の施設に移された。

 逮捕された職員は当初、行方不明になった赤ちゃんは「その子を産んだ未婚の母親に連れて行かれた」と主張していたが、警察は、容疑者2人がこの赤ちゃんを隣接するウッタルプラデシュ州の夫婦に1700米ドル(約19万円)近くで売っていた証拠を突き止めた。人身売買で有罪になれば容疑者2人には最大で5年の禁錮刑が科されるが、警察によると、捜査によって余罪が出てくる可能性もある。捜査は、出産が行われた病院でも進められている。

 インドでは合法的な養子縁組には煩雑な手続きが必要なため、慈善団体や病院に賄賂を払うなど違法な手段に頼る人々もいる。□

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2018年7月20日