・フィリピンで大司教を殺害しようとした襲撃犯射殺(CRUX)

 

(2018.7.10 Crux Staff)

 フィリピンのセブ島で10日朝、ホセ・パルマ大司教(写真:Order of Preachers)を殺害しようと大司教館に押し入った武装襲撃犯が警官に射殺された。大司教は当時、マニラでのフィリピン司教協議会総会に出席しており、無事だった。

 現地の新聞が警察当局の説明として伝えているところによると、犯人はヘルメットで覆面姿でオートバイで大司教館に乗り付け、受付に「大司教はどこだ」と聞いた。居合わせた大司教の秘書が、この男が腰に拳銃を下げているのに気が付き、急いで警察に通報。警官隊が現場に到着すると、犯人はオートArmed man killed in shootout outside residence of Filipino archbishopバイに乗り、近づこうとすると「俺に触るな」と言って、発砲してきた、という。

 パルマ大司教は、ドゥトルテ大統領が麻薬犯罪取り締まりで多くの容疑者を裁判を経ずに処刑していることを強く批判、出席中の司教協議会総会では、ドゥトルテ政権のこうした強硬策を強く批判する声明を出していた。

 フィリピンのカトリック教会は、「司教たちが我が国で姑息なやり方で影響力を行使している」と批判するドゥトルテ大統領を信奉する武装勢力の標的になっており、昨年12月からこれまでに三人の司祭が射殺されている。

 セブ大司教区の広報担当、ヨゼフ・タン司祭が10日声明を発表し、大司教襲撃の兆候はなかった、としたうえで、「平和が回復されるように祈っていだだきたい」と信徒たちに求めた。

 この襲撃事件の前日、9日午後、フィリピン司教協議会議長のダバオのロムロ・バレス大司教がドゥトルテ大統領と会談しており、会談後、大統領府スポークスマンは、大統領がカトリック教会に対する非難の一時棚上げに同意した、と説明していた。

 

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2018年7月11日