・スマホなどでゲーム、若者の2割が平日3時間以上-「生活で一番大切」、心身に障害も-国の全国調査

(2019.11.27 カトリック・あい)

 厚生労働省研究班による若者の「ゲーム依存」に関する初の全国実態調査結果が27日、発表された。それによると、10代から20歳代の若者の2割が、平日に3時間以上、うち3割は6時間以上、スマホなどでゲームをしており、学業や仕事に影響が出たり、腰痛や目の痛みなど肉体的な支障を起こしていることが明らかになった。

 かねてから専門家が指摘していた生活や健康への影響が改めて確認された形で、政府は来年度からゲーム依存への対応を強化する方針だ。

 この調査は、今年1~3月、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)が実際に担当、10歳から29歳までの9000人を対象に行い、5096人から回答を得、うち最近近1年間にゲームをしたと答えた4438人から実情を聞いた。

 それによると、過去1年間でゲームをした人のうち、平日にゲームに費やす時間が一日4時間以上6時間未満が7%、6時間以上は3%。休日には4分の1が4時間以上ゲームをし、男性で3分の1以上を占めた。

 使用機器で最も多いのがスマホ(81%)、次いで据え置き型ゲーム機(48%)。ゲームをする場所は自宅(98%)や移動中(33%)が多い。

 「ゲームをやめなければいけないのにやめられない」と答えたのは、ゲーム時間が1時間未満が22%。6時間以上が46%。

 平日に6時間以上ゲームをしている4人に1人が「生活で一番大切なのがゲーム」と答え、学業や職業に支障が出てもゲームを続けていた。4割は肉体的な問題や、睡眠障害、ゆううつや不安などの心の問題が起きてもゲームを続けていた。2割以上は過去1年間のうち半年以上、家に引きこもっていた。

 世界保健機関(WHO)は今年5月、「ゲーム依存症」を「精神疾患」の一つとして位置づけたが、治療のための指針はまだ出ていない。

 国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は「スマートフォンの普及でオンラインゲームにのめり込む若者が増え、日常生活への悪影響が出ている。相談を受ける人や治療する医師向けの指針や手引を作るなど態勢を整える必要がある」と改めて、具体的な対策実施を訴えている。

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2019年11月27日