(2020.2.7 カトリック・あい)
だが、これを知った武漢市公安局の職員が、同医師の所を訪れ、「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する文書を提示、署名を迫った。「我々は厳粛に警告する。かたくなに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう」と通告された。李医師は先月末、この時の文書のコピーを、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」上で、公開し、何があったのかを説明した。
この説明の中で、李医師は患者の女性から感染、1月10日に咳をし始め、翌日に発熱、2日後には入院することになったと、し、医師の両親も体調を崩し、病院へ搬送されたという。10日後の1月20日、中国政府は新型ウイルスの流行について、緊急事態を宣言したのは、李医師の発病から10日後の1月20日だった。
李医師の死亡は、6日午後9時30分に、李医師の死亡が確認されたとして、ソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」が情報を流し、人民日報も、「李医師の死亡は『国民の悲しみ』を引き起こした」とツイートしたが、その後になって、環球時報が、李医師には体外式膜型人工肺(ECMO)が取り付けられ、危篤状態にあると報じるなど、報道に混乱が起きた。
現場に居合わせたジャーナリストや医師は、BBCやほかのメディアに対し「政府職員の介入があった」と証言。国営メディアは「李医師が今も治療を受けている」という報道内容に変更するよう指示されたという。人民日報はその後、李医師の死亡時刻を修正し、「我々は、新型コロナウイルスに対処している最中、不幸なことにそのウイルスに感染した、武漢の李文亮医師の死を深く悲しんでいる。懸命な治療が施されたものの、2月7日午前2時58分に死去した」とツイートした。