・カリタス・フィリピンが聖職者の性的虐待に具体策(VN)

(2020.2.15 VaticanNews  Robin Gomes)

  カトリックの慈善活動団体、カリタス・フィリピンが、聖職者による未成年者静的虐待への具体的な対策に乗り出した。

 フィリピンではルソン島のケソン市の大聖堂で、四旬節の開始を前にした“Alay Kapwa”(「共に分かち合う」の意味)の式典が開かれ、出席したカリタス・フィリピン事務局長のエドウィン・ガリゲス師が対策の実施の声明を発表した。一連の対策の一つとして、カリタス・フィリピンの全幹部の「身辺調査」を行う。

 カリタス・フィリピンは、「社会行動,正義,平和のための全国事務局」(National Secretariat for Social Action, Justice and Peace-Caritas Philippines = NASSA)としても知られ、フィリピンのカトリック教会の社会行動部門を担っており、 165の国のカトリックの支援組織の世界的な連合、カリタス・インターナショナルの一員でもある。

 ガリゲス事務局長は、新対策の狙いは、司祭がいかなる形の性的虐待、特に子供たちに対する性的虐待に関与していることの有無を判断することであると明言。式典に参加した教区の社会行動部門の幹部たちに対して、「カリタスはそうした虐待行為を容認しない姿勢をとっている」と述べ、それぞれの教区が、この問題への対処で関係者への指導が必要なら、虐待保護指針を作成、提供する」と説明した。

 フィリピンのカトリック司教協議会(CBCP)は昨年7月、聖職者による虐待の事案を調査し、教区レベルでの取り組みを強化する事務局の設置を決めた。これは、教皇フランシスコが昨年5月に出された自発教令「Vos estis lux mundi」(あなたは世界の光)を受けたもの。

 教皇はこの教令で、世界の全ての教区に、聖職者による性的虐待の事例を報告するための公開され、アクセスしやすく、信頼できる制度を作ることを義務付けた。聖職者と修道者に対する虐待報告の義務を含み、全ての教区はそのような報告を受け取るために、連絡が容易な制度を備えねばならない、とされている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年2月17日