・「『若者シノドス』の成果を私たちも共有したい」-日韓司教交流会に日本の青年が訴え

(2018.11.20 カトリック・あい)

 13日から15日にかけて韓国・ソウル郊外で日本側18人、韓国側24人が参加して開かれた日韓司教交流会で日本側が上映した「日本の若者たちの声」が明らかになった。

 このビデオは、カトリック青年連絡協議会によるもので、「交流協会の参加司教たちへのお願い」という控えめな表現で出された、特に日本の司教団に向けられた4つの提言は、次の通りだ。

 ①外国人信徒の交流を深めるような支援 ②青年の集まり、活動への司教たちの積極的な参加、意見交換 ③青年の活動拠点の確保の支援 ④若者の信仰養成の指針、ビジョンの提示

 交流会の開催については、韓国側からは概要について公式発表されているが、日本側からは菊地東京大司教の「司教の日記」(「カトリック・あい」で転載済み)の報告は出ているものの、20日現在、公式発表はない。しかも、具体的にどのような意見交換があり、今後の双方の行動について、例えば、先月一か月にわたって行われた「若者シノドス(全世界代表司教会議)」を受けた対応など、どこまで具体的に話し合われたのか、など、日韓いずれの側からも全く説明がされていない。

 そうした中で、このビデオは、日本の青年信徒の司教団、とくに日本の司教団についての強い希望を表明したものとして評価すべきものだ。このビデオを見た司教たちがどのような意見を述べたのか、とくに日本の司教たちがどの様な反応を示したのか、定かでないが、若者に限らず、日本の信徒の強い要請が含まれているようだ。

 提言の、特に④についてはビデオで「10月に開かれた『若者シノドス』の内容を私たちも共有したい。そのうえで、信仰養成の指針を示してほしい」と具体的な要請がされた。これは私たち一般信徒が広く求めている事でもある。そもそも、司教団の中でさえ、「共有」ができているとは思えない。各国の司教団の中にはすでに、シノドスの結果を受けて具体的な議論、取り組みが始まっているところも少なくない。ビデオで示された青年たちの真摯な訴えを、日本の信徒の代表意見として受け止め、しっかりと対応すべきだろう。

 また、ビデオでは、シノドスでも大きな議論になった聖職者による未成年者などへの性的虐待問題にも触れられ、「私たち青年も、心を痛めている。日本の仲間にも苦しんでいる人がいる」として、厳しい対応が求められた。

 この問題では、韓国の司教協議会は、一般信徒も入った対策委員会を設置、各教区ごとに相談・申告窓口も開いて対応を始めているが、日本の司教協議会がこの問題を議論したのか、どのように対応しようとしているのか、いないのか、全く報じられていない。

 日本でも、聖職者の性に関係した問題が全くないわけではない。日本的風土の中で、それを表に出せずに苦しんでいる人がいるとも聞く。来年2月には教皇フランシスコが全世界の司教会議会長を集め、具体的な対応について協議をする予定だ。その場で、何の具体策も出さず、「日本は何も問題がありません」と自信をもって言い切れるとは思われない。これについても、ビデオで示された青年の真摯な声に耳を傾け、行動するべきだろう。

   韓国の青年たちの提言も日本の司牧の参考になる内容が少なくない。日韓双方青年の日韓司教交流会で上映されたビデオは以下のURLをクリックしてご覧ください。

日本の青年からの提言: https://www.youtube.com/watch?v=Au4kVadf3FM&t=2s
韓国の青年からの提言:https://www.youtube.com/watch?v=dO-LPeo2E5A&t=80s

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2018年11月20日