☩「希望が失望に変わらぬように」教皇が南北首脳会談結果に言及

(2018.4.30 「カトリック・あい」)

 教皇は29日、正午のお告げの祈りに続いて、「朝鮮半島の完全な非核化」と年内に休戦中の朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言を目指すことで合意した27日の韓国と北朝鮮の南北首脳会談について言及。「会談の建設的な成果と、半島の非核化への真摯な対話の道を進むという両首脳の勇気ある約束に、祈りとともに、共に歩みます」とされたうえで、「主に祈ります。平和な未来とさらなる兄弟愛への希望が失望に変わることにないように。そしてこのような協力が、愛する朝鮮半島の人々と全世界のために良い実を結び続けますように」と祈られた。

 27日の南北首脳会談の会談後に署名された「板門店宣言」は、朝鮮半島の非核化について「南と北は、完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と明記したが、北朝鮮が開発済みの核兵器の廃棄を検証する方法や時期など具体策には触れておらず、両首脳は宣言署名後、共同記者発表を行ったが、北朝鮮側は非核化に言及しなかった。このため、非核化の具体的な成否は、6月初旬までに予定される米朝首脳会談に委ねられることになった。

 教皇が、一部関係者に見られる手放しでの評価に流されず、「希望が失望に変わることのないように」と釘を刺したのは、このような”成果”に対する冷静、客観的な判断があるとみられる。

(バチカンの教皇のお告げの祈りとその後のメッセージの現地時間29日の公式発表分をもとに「カトリック・あい」がまとめました)

 

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2018年4月30日