[ニャるほど! 社会保障]高齢者の貧困が深刻なの?(読売新聞)

 

(2018年1月28日 読売新聞朝刊)

年金や貯蓄が不十分

 Q 高齢者の貧困が、深刻だって聞いたわ。

 A そうなんだ。生活保護費を受給している世帯のうち、高齢者だけの世帯や、高齢者と18歳未満の子どもだけの「高齢者世帯」の数が増えているよ。1997年度は約28万世帯だったのが、2015年度には、約80万世帯にまで増えたんだ。これは、全受給世帯の約半数にあたるんだ。

 貧困状態にある人の割合を表す相対的貧困率は、一般の世帯より、高齢者世帯の方が高くなっている。住む場所がなくて路上や公園で暮らしているホームレスの人の高齢化も進んでいる。厚生労働省が昨年公表した調査でも、平均年齢が61・5歳と初めて60歳を超えたんだ。

 Q どうして生活が苦しくなってしまうの。

 A 様々な事情があるよ。現役時代の収入が低かったためにもらえる年金が少なかったり、保険料を納めた期間が足りなかったりして年金をもらえなかったりすると、収入が少なくなってしまう。

 十分な貯蓄がないと、思わぬ病気などで高額な医療費がかかった際、生活が破綻してしまうよね。

 働いていない子どもと同居していて、生活の面倒を見ているために共倒れになってしまうこともある。死別や熟年離婚などで頼れる人がいなくなり、生活が苦しくなるケースもあるよ。

 Q 家族だけでは支えきれないのね。

 A 生活保護を受給している高齢者世帯の9割は、ひとり暮らしの高齢者なんだ。生涯未婚率の上昇などでさらに数が増えると予想されているので、経済的に困窮する高齢者も増える恐れがある。普通のサラリーマンとして生きてきた人も、いつ生活が苦しくなってもおかしくないんだ。

 Q どうしたらいいの。

 A 生活に困った人が支援を受けられるように制度を使いやすくしたり、70歳以上の元気な高齢者が長く働ける機会を増やしたりすることも大切だよ。家族以外の地域や社会で支え合う仕組みづくりにも、危機感を持って取り組むことが求められているよ。

(粂文野)

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2018年1月28日