・2月の性的虐待対策・全世界司教協議会会長会議を前に韓国の対応

(2018.11.12 カトリック・あい)

 欧米を中心に教会に対する信頼を大きく傷つけている聖職者による未成年性的虐待問題について、教皇フランシスコは来年2月に全世界の司教協議会会長を招集し、抜本策を協議する。各国の司教協議会では具体的な対応が始まっており、アジア地域でも、韓国ではすでに具体的な取り組みが進んでいる。日本の司教協議会では議論の対象にすらなっていないようだが、本当に「そのようなことは全くない」と自信をもって言い切れるのだろうか。2月の世界会議にはどのような意見、姿勢で臨むつもりなのだろうか。

 韓国司教協議会のホームページなどによると、同協議会は、3月に開いた春季定期総会で、最近のカトリック司祭の性暴行事件に関して韓国カトリック教会としてとるべき対策を議論し、司祭の性犯罪と性的キャンダルを制度的に防止するため、司教協議会会長を委員長に、司教、聖職者、修道者、一般信者(女性を含む)の専門家など10人前後で構成する「教会内性暴行防止特別委員会」(仮称)を新設するなど4項目にわたる具体策の実施を決めている。今後さらに、性暴行発生時の加害者に対する厳重な処罰と教育、被害者の人権保護と支援方案なども検討している方針という。

 特別委員会設置のほかの3項目は、①各教区別に教会内性暴行被害を受付ける単一の窓口を教区庁に設置。信者が性暴行被害を申告する電話番号と電子メールアドレスを用意し、申告内容を教区長の司教が直接に処理できる体制をとる②性暴行発生時の加害者に対する厳重な教会法的、社会法的な処罰に関する教会指針と規定を定め、司祭に積極的に教育する③神学生の教育と司祭の生涯学習過程の中で、性犯罪の深刻性を徹底して熟知させ、全ての司祭を対象に、これに関する教育を各神学校と教区別に徹底して実施。教区長は、司祭聖化の日、司祭研修と黙想などの機会を利用して、良心の省察と告解の定期的な実施し、司祭の職務と生活に対する教会の諸般の規定を強化する-だ。

 この決定を受けて、各教区は申告・相談窓口を設置、ソウル大教区の場合、「司祭の性暴力被害受付所」を開設し、大司教区のホームページから申告・相談の手続きがとれるようにしている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」高橋哲夫)

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2018年11月12日