・性的虐待で大量の訴え受けたグアムのカトリック教会が破産申請

(2019.1.18 カトリック・あい)

 日本人観光客などでにぎわう米領グアムのカトリック大司教区が16日、現地の米連邦裁判所に破産を申請した。AP通信など複数のメディアが報じた。

 同大司教区は聖職者による性的虐待を受けたとする信徒たち190人から数百万㌦(数億円)に上る賠償請求の訴えを受けている。破産が認められれば、幼児虐待の何十件もの裁判を回避し、和解交渉に入ることになるという。

 大司教区の弁護士によると、和解金の金額として望ましい額は明らかにできないが、大教区が保有する資産は2290万㌦の価値を持つのに対し、負債総額は4560万㌦。緊急性の低い不動産を売却して和解基金に充てることも計画しているという。

 また破産法によれば、破産が認められても、教会や学校など大司教区が所有する施設の運営は継続できる。

 グアムのカトリック教会では2016年に、アンソニー・アプロン大司教が、司祭時代に侍者の少年たちを性的に虐待したとして訴えられ、教皇フランシスコが暫定教会管理者に大司教の職務を代行させたが、これをきっかけに、他の司祭が関係する訴えも数十件だされてきた。こうした状況から、教皇は昨年初めにアプロン大司教を職務から外し、バチカンの裁判所で有罪判決が出た後、グアムへの復帰を禁じることを命じている。

 

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2019年1月18日