・中国当局、”地下教会”の司教を厳重な管理の下で承認

(2019.2.1 カトリック・あい)

 バチカンと中国政府の間で司教任命を巡る暫定合意が結ばれた後、中国当局の国内カトリック教会を”地下教会”も含めて統制・管理下に置こうとする動きが各地で強まっていると伝えられてきたが、当局が”地下教会”の司教を、補佐司教として初めて認める動きに出た。ただし、就任式・ミサは当局によって厳格に統制された。

 バンコクを拠点とするカトリック系の有力インターネット・ニュースメディアucanews.comが1日付けの香港発で伝えたもので、中国国営のchinacatholic.cn.が、河南省の南陽市教区の”地下教会”の司教、Jin Lugang 師は1月30日付けで同教区の聖ヨゼフ教会に所属した、と公表した。就任を祝うミサは南陽市の98歳になるZhu Baoyu司教、安陽市の Zhang Yinlin 司教も共同司式に加わったという。

 ucanews.comによると、63歳の Jin司教は、このミサの中で宣誓文を読み上げ、「中国憲法に合うように、教区の全てのカトリック司祭、信徒を導くために、Zhu Baoyu司教を補佐する。国の一致、社会の安定と連帯を守り、国を愛し、教会を愛し、中国におけるカトリック教会の『中国化』に向けて全力を捧げる」と約束した、という。当局の公式声明によれば、就任式は中国天主教会司教会議(BCCCC)と中国天主愛国協会(CCPA)の礼拝規則に従って行われ、BCCCCの副会長が司式し、CCPAとBCCCCが出した承認書が読み上げられた。

 関係筋が ucanews.com に語ったところによると、 Zhu 司教は1995年に教皇から南陽教区長として秘密裏に任命されていたが、2010年に高齢に伴い、当時のベネディクト16世から辞任が承認され、Jin師が2007年に補佐司教として秘密裏に叙階されていた。だが、こうしたバチカン側の動きとは別に、2011年に中国当局が、Zhu司教を教区長として承認した。また、Jin補佐司教の就任式・ミサには、招待状のない者の出席は禁じられ、出席者も携帯電話の所持、式の撮影も認められず、警察官など地方政府職員はJin師の司祭や修道女たちを、Zhu司教が居住、ミサを捧げていた聖ヨゼフ教会に強制移動させ、当局は地元の信徒たちをこのミサに参加を認めなかった、という。

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2019年2月2日