・キリスト教徒の人権派弁護士、2年の刑を終え出所後、行方不明に、父、妹も

 写真は、外国人記者たちの取材を受ける江天勇弁護士(2012年5月2日、Photo by Mark Ralston/AFP)
Chinese rights lawyer missing after prison release

(2019.3.2 カトリック・あい)

 中国で宗教関係者と共に人権活動家に対する弾圧が強まっているが、今度は、キリスト教徒の人権派弁護士が釈放直後、行方不明になった。

 バチカンは昨年9月、中国政府との間で、当局が任命した司教8人を教皇も承認する「暫定合意」を交わした。だが、政府の融和ポーズとは裏腹に、国内の宗教団体、信徒の活動を監視・統制する中国共産党統一戦線工作部は、これを機に、カトリック”地下教会”の司教、司祭、信徒への締め付けを強化している。

 そうした動きと同時並行的な人権活動家弾圧の強まりの中で、これらに目をつむって「暫定合意」を正式合意へと進めるのか、それとも、合意凍結など、中国政府、党の姿勢に批判の姿勢を明確にするのか、バチカンの今後の動きが注目される。

 カトリック系の有力インターネット・メディアucanews.comが1日, Hong Kong 発で伝えたところによると、この弁護士は河南省の刑務所に収容されていた 江天勇氏。「現政権の転覆をはかろうとした」として禁固二年の刑を受け、2月28日に刑期を終えて出所した後、行方不明になった。

 彼の友人たちが刑務所に迎えに行ったところ、警官から「すでに誰かが迎えに来て連れて行った」と言われ、刑務所から去ろうとして、公安に後をつけられていることに気が付いた、という。彼の身を案じた友人たちが家族と話そうとしたが、彼の父親とも妹とも連絡が取れず、彼らも行方不明になったと見ている。米国にいる彼の妻も、彼と連絡が取れないという。中国の人権派弁護士団体は声明を発表し、江弁護士と父、妹の所在を明らかにするよう、当局に強く要請、弁護士本人が父、妹とともに住んでいた北京の自宅に戻るのを認めるよう求めた。

 北京に事務所を置く江弁護士は、維権(weiquan=人権擁護)運動の先頭に立ち、チベット族、様々な請願者、法輪功の信者たちなど、社会的弱者の権利を守るために活動してきた。2015年7月から当局が中国全土で行った人権派弁護士、人権活動家の一斉検挙で身柄を拘束された弁護士たちの支援にもあたったが、2016年11月に湖南省の長沙市の公安当局に逮捕された。翌2017年秋に政権転覆を図ったとして起訴され、禁固2年、選挙権・被選挙権の3年間剥奪の刑を言い渡された。香港メディアによると、彼は、刑務所内で繰り返し拷問され、さらに薬物を強制的に飲まされて、歩行不能、記憶喪失に陥らされた、とも伝えられている、という。

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2019年3月2日