・「真に歴史的、だが、長い道のりの始まり」と米朝首脳会談結果に駐韓バチカン大使コメント

(2018.6.12 Vatican News)

  12日の米朝首脳会談を受けて、バチカン駐韓国大使のアルフレッド・ケレブ大司教がコメントし、会談は「まさに歴史的」だったと歓迎し、今後の朝鮮半島の和平の展望とそれが世界平和に及ぼす影響について、カトリック教会は「希望と確信に満ちている」とするとともに、まだ(具体的な成果を生むための)長い道のりの始まりである、と前途を楽観視する見方に注意を与えた。

  大使は、バチカン・ニュースの取材に対して、赴任先のソウルから語ったもので、韓国の人々と教会は「このまさに歴史的な出来事」を強く待望していた、と語り、米朝の両首脳による会談を「(和平実現に向けた)長く、困難な道の始まりにおいて、重要な1ページを印した」と評価した。

 同時に、大使は「私たちは希望に満ちている。それは、この道の始まりは、とても、前向きで、素晴らしいものだったからだ」とし、(米朝双方が、これまでの)「炎と怒り」に燃え、(北朝鮮による相手を)完全に打ち壊す」ような大げさな物言いから、(この会談で)平和について語る相手をなだめるような姿勢に変わったことに、心を動かされた、と述べた。

 そして、韓国のカトリック教会は、今回の米朝首脳会談など一連の出来事の間、「大きな信頼」をもって過ごし、ソウルのカテドラルでは、これまで毎火曜日に(朝鮮半島の)平和と和解のための特別な祈りを続けてきた、と強調した。そして、韓国の司教団は、17日から25日に「朝鮮半島の平和、和解、一致」のため novena (連続9日間の祈り)とすることを提唱している、と語った。

 また、大使は、この歴史的首脳会談とその結果生まれた和解の雰囲気の中で、カトリック教会は北朝鮮の福音化について祈っている、とし、「教皇は、対話と和解のためのいかなる動きも支持され、この機会を生かして、北朝鮮にイエス・キリストのよき知らせをもたらすことを希望されている」と述べた。

 (翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2018年6月13日