・ 国連人権理事会 ミャンマーの責任追及訴え、国際刑事裁判所 ロヒンギャ迫害で予備的調査

 人権理事会は、国連ヨーロッパ本部で10日から始まり、新たに人権高等弁務官に就任したチリの前の大統領のバチェレ氏がミャンマーからの避難を余儀なくされている少数派のロヒンギャの人たちについて発言しました。この中でバチェレ氏は、「人権理事会の調査団は大量虐殺が行われた疑いを明らかにした。今も迫害が行われているおそれがあり、ミャンマーは裁かれなければならない」と指摘して、国際刑事裁判所など国際的な枠組みで責任を追及すべきだと訴えました。

 人権理事会をめぐっては、アメリカがことし6月、「慢性的なイスラエルへの偏見を抱えている」として離脱を表明していて、今回からはアメリカに代わってアイスランドが参加しています。

 理事会は今月28日まで行われ、中国政府が新疆ウイグル自治区に住む少数民族のウイグル族の人たちをテロ対策を名目に不当に大勢拘束しているとされる問題など世界各地の人権問題が議論されます。

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国際刑事裁判所 ロヒンギャ迫害で予備的調査へ

 ミャンマーの治安部隊が、国内の少数派ロヒンギャの人たちを迫害した疑いについて、国際刑事裁判所は、この事案を取り扱う権限があると判断し、裁判所の検察官による予備的な調査が始まることになりました。

 ミャンマー西部では、少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの武装勢力と政府の治安部隊の衝突で、これまでに推計で70万人以上のロヒンギャの人たちが、隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされています。国際社会からは「少数派の迫害だ」として、国際刑事裁判所への付託を求める声が上がっていましたが、ミャンマーが国際刑事裁判所に加盟していないため、取り扱う権限があるかどうかが焦点となっていました。

 こうした中、国際刑事裁判所は6日、「犯罪の一部は加盟国のバングラデシュで行われた。人道に対する罪が疑われる行為を取り扱う権限がある」と発表し、裁判所の検察官が予備的な調査を始めることになりました。

 この問題をめぐっては、先月、国連が現地で調査した結果、ロヒンギャの人たちに対する無差別な殺害や暴行、それに村の焼き打ちが繰り返されていたことが確認されたとして、ミャンマー軍の幹部らを訴追するよう求めていました。

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2018年9月12日