・若者によるシノドス準備会合始まる-「勇気をもって語れ」と教皇(Crux)

‘Be brave!’ Pope tells participants at Vatican pre-synod on youth

Pope Francis, flanked by cardinals Lorenzo Baldisseri, left, and Kevin Farrell applauds as he attends the opening session of the pre-synod of the youths meeting, at the Mater Ecclesiae college in Rome, Monday, March 19, 2018. (Credit: AP Photo/Alessandra Tarantino.)

 (2018.3.19 Crux  Claire Giangravè)

 教皇はさらに、若い人々は、自分たちのスタイルと独創性をもった文化の作り手だが、放っておかれることがあまりにも多い、と指摘し、「教会の中でそのようなことがされてはならない」「このシノドス準備会合には大きなこと-誰も排除せず、若者たちすべてから話を聴こうとする教会の熱意-の”しるし”となることが求められています」と会合への期待を語った。

 また、10月のシノドスの狙いについて、教皇は、条件を整備し、若者たちが「召命の識別における熱意と能力」を備えることができるようにすること、であるとし、会合の参加者たちに「神があなた方を信じ、愛し、呼びかけておられる」ことを思い起こさせた。そしてこのメッセージは、自分たちの席の下に書かれた「神は、あなたをとても愛している」という言葉を見るように、教皇も含めた参加者に求めることで会合を始めた、若い人たちの思いでもあった。

 続けて教皇は、このシノドス準備会合にはまた、「教会に対してアピールを行い、教会が、新たな若々しい活力」を見出し、提起すべき新たな道を学び、若い人々と親しくするようになることを期待している、と述べた。

 今回の会合を前にして、世界中の15万人を超える若者たちが、教会と宗教に関する希望や要望、心配、日々の生活で直面する問題などについて、準備事務局に回答を寄せていた。この回答の分析結果は、今会合の討議結果とともに10月のシノドスに提出される予定だ。これに関連して、教皇は半世紀前の第二バチカン公会議で出された若者たちへの優れたメッセージに言及し、それが「自己中心主義と戦い、より良い世界を勇気をもって作るための推進力となりました」と語り、「それが、新たな道を探し求め、勇気と信頼をもって、常にイエスに眼差しを注ぎ、聖霊に心を開いて、その道を歩み、教会を刷新する誘因です」「教会の心は若い、それはまさに、福音が教会を絶えず蘇らせる命の樹液であるからです。その豊かさの中でうまく馴染み、順応していくかどうかは、私たちの努力にかかっています」と付け加えた。

 さらに教皇は、教会には信仰の熱意、探求心とを取り戻すことが必要とされている、「変化を選ぶことをしない組織は、子供のまま、成長することがない」(「カトリック・あい」注・教会はそうであってはならない)とし、成長を続けるために、信徒は、危険を恐れず、新たな道に踏み出す勇気を持たねばならない、と強調、「私たちは危険を冒さねばなりません。なぜなら、愛は、どのように危険を冒し、危険なしに、若者が年を重ね、教会も年を重ねることを知っているからです」「私たちはあなたがた若者を必要としています。若々しい顔をもつ教会の生きた、化粧をしていない石材、人工的に若く見せるのでなく、内面からの若さをもった人々を。あなた方は、私たちが正当な伝統を保ちつつ創造性も失わないように、『それは、いつもこうやっています(だから変える必要はない)』の論理から脱するように力づけてくれるのです」と教会における若者たちの存在を、改めて高く評価した。

 そして、若者たちは「新しい文化を創造すること」を基本としているが、文化は”根こそぎ”にしてはならず、根を必要とする、つまり、人生の長い経験者であるお年寄りたちは若い世代を導くことができる、ことも指摘、新約聖書の使徒言行録の「あなたの息子と娘は預言し、若者は幻を見、老人は夢を見る」(使徒言行録2章17節)と引用し、「今、私たちは若い預言者たちを必要としています」、しかし、若い人たちが「老いた人たちの夢をかなえる」時にだけ、預言者となる、とも語った。

(翻訳「カトリック・アイ」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

 

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2018年3月20日