・教皇庁が「『奉献されたおとめ』のための指導書」発表

教皇フランシスコと、奉献・使徒的生活会省長官ジョアン・ブラス・ジ・アビス枢機卿 – AP

(2018.7.4 バチカン放送)

 教皇庁の奉献・使徒的生活会省(長官:ジョアン・ブラス・ジ・アビス枢機卿)は4日、「奉献されたおとめ(オルド・ヴィルジヌム)」のための指導書「エクレジア・スポンセ・イマーゴ(教会の花嫁の姿)」を発表した。

 「奉献されたおとめ」とは、教会によって公式に認められた、女子の奉献生活の一つのあり方。結婚せず、おとめの状態に留まり、家で日常の生活をおくりながら、自身の人生を、主と教会への奉仕のために捧げる。初代教会の時代から存在し、一人の女性が「神に生涯を捧げ、教会に奉仕したい」と決意した場合、司教のもとへ赴き、自らの奉献を願い出ることで、司教によって神に奉献され、「奉献されたおとめ」となった。

 中世以降、修道会と修道生活の発展によって、この奉献スタイルは次第に消えていったが、第2バチカン公会議後の1970年、パウロ6世によって「奉献されたおとめ」の奉献のための典礼が復活。それ以来、この特別な形態による自らの奉献を司教に申し出る女性たちの数は徐々に増え、現在、世界で5千人以上が「奉献されたおとめ」としての生活を送っている。今回発表された文書は、「奉献されたおとめ」について深い考察をもって記された、教皇庁初の指導書となる。

 指導書の序章、中心となる3部、結びで構成され、全部で115章。序章で「奉献されたおとめ」の伝統と歴史、その特有の奉献スタイルが語られ、第1部は「奉献されたおとめ」への召命とそこに存在するキリスト教的・聖書的基礎、カリスマ、霊性など、第2部は「奉献されたおとめ」の普遍教会、また地方教会と教区における立場、あり方、関係など、第3部は「召命の識別」と「霊的・教育的な養成」について、それぞれ述べている。

 奉献・使徒的生活会省長官、ブラス・ジ・アビス枢機卿は、この指導書の公布にあって、おとめの奉献の典礼復活から50年を迎える2020年に「奉献されたおとめ」たちの国際的な集いをローマで開くことを明らかにした。

(「カトリック・あい」が編集)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年7月5日