・教皇ルーマニア訪問:正教会総主教と会見「使徒時代にさかのぼる信仰の絆」を強調

(2019.5.31 バチカン放送)

 ルーマニア訪問中の教皇フランシスコは5月31日、首都ブカレストで、ルーマニア正教会のダニエル総主教および聖シノドのメンバーとお会いになった。

 教皇は正教会の総主教府で、ダニエル総主教との個人会談の後、聖シノドのメンバーを前に挨拶され、20年前の1999年5月8日に同国を訪問した聖ヨハネ・パウロ2世と当時のテオクティスト総主教との出会いを振り返られ、「私は皆さんの教会の中に刻まれたキリストの御顔を観想するためにここに来ました」という聖ヨハネ・パウロ2世の言葉を思い起こしつつ、「私もまた、ルーマニアの兄弟たちの顔の中に主の御顔を認めるために巡礼者としてやって来ました」と語られた。

 そして「カトリック教会とルーマニア正教会の使徒時代にさかのぼる信仰による絆」、そして、この地に信仰を伝えたといわれる聖アンデレと、聖ペトロの兄弟としての血のつながりだけでなく、「同じ主への信仰のために血を流した殉教者たちの血における兄弟的一致」を強調。

 迫害の苦しみを経て、死から復活への過ぎ越しを体験したルーマニアのキリスト教諸教会の前世紀の歴史を思いつつ、20年前の聖ヨハネ・パウロ2世と総主教テオクティストの出会いは「両教会の関係を再び花開かせ、対話を取り戻すきっかけになりました」と語られたうえで、「両教会がかつての過ちや偏見に基づく”記憶”ではなく、初代教会にさかのぼる福音宣教と信仰のルーツの”記憶”に力づけられ、共に歩んでいくこと」を希望され、「主に耳を傾け、祈り、愛の奉仕を通しながら、新たな聖霊降臨に向けて、共に歩み、兄弟たちがイエスを見ることができるよう助け合って行きましょう」と呼びかけられた。

 この後、教皇はブカレストの正教会カテドラルで、ダニエル総主教と「祈りの集い」に参加され、カトリック教会と正教会の賛歌がそれぞれ歌われる中、ラテン語とルーマニア語で「主の祈りを唱えられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年6月1日