・教皇ルーマニア訪問:「私たちも、人や家庭の価値を貶めるイデオロギーと闘わねば」司教殉教者7人列福

(2019.6.2 バチカン放送)

 ルーマニア司牧訪問最終日の2日、教皇フランシスコはトランスシルヴァニア地方の都市、ブラジを訪れ、7人の司教殉教者の列福式を行われた。

 この式で福者の列に加えられたのは、ヴァジレ・アフィテニエ師、ヴァレリウ・トライアン師、イオアン・スチウ師、ティト・リビウ・キネズ師、イオアン・バラン師、アレキサンドル・ルス師の6司教と、イウリウ・ホッス枢機卿の計7人。いずれも、ギリシャ典礼カトリックに属し、共産独裁政権による激しい迫害下で殉教した。

 当時の弾圧と、殉教者たちの信仰と愛を記憶するために、この列福ミサの司式中、教皇が用いた椅子には、殉教者らが投獄された刑務所の鉄の窓枠が素材の一部に使われ、カリスと聖書は、殉教時、一番年配であったトライアン司教が所有していたものが使用された。

 ミサの説教で教皇は「共産独裁と無神論のもとに信仰の自由を奪われ、迫害による大きな苦しみを体験」した同国のカトリック共同体の試練の年月を思い起こされ、殉教者たちを「自由」「慈しみ」「赦し」の証し人として強調。「殉教者たちが当時のイデオロギーや無神論と対決したように、現代の私たちもまた、人間や命、家庭の価値を貶める新しいイデオロギーと闘わねばなりません」と話された。

 そして、「自由と慈しみを証ししながら、『分裂』よりも『兄弟愛と対話』を優先させ、殉教者たちの血による兄弟愛を通してキリスト者の間の連帯を育てていくように」と信者たちを励まされ、レジーナ・チェリの祈りを信者と共に唱えられた。

 2日午後に、教皇はブラジのロマ族共同体と交流され、3日間のルーマニア司牧訪問を終えられて、シビウ空港から、ローマへの帰途に就かれた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年6月3日