・教皇、31日からルーマニア訪問-ギリシャ典礼カトリック教会の司教殉教者7人の列福も

(2019.5.30 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、5月31日(金)より、3日間にわたり、ルーマニアへの司牧訪問をされる。第30回目の海外司牧訪問(イタリアは除く)で、ルーマニアへのローマ教皇訪問は1999年7月の聖ヨハネ・パウロ2世の訪問に続いて2度目となる。

 今回の訪問は、ルーマニア大統領と、同国の司教らの招きに応えるもので、主な目的は、聖ヨハネ・パウロ2世の訪問から30年ぶりに同国を訪れ、同国のカトリック信者を励まし、ギリシャ典礼カトリック教会の7人の司教殉教者の列福式を行うと同時に、ルーマニア正教会とエキュメニカルな出会いを持つことにある。

 教皇は、5月31日朝、ローマのフィウミチーノ空港からルーマニアの首都ブカレストに向け出発。同日午前、到着したブカレストの空港で歓迎を受けた後、市内の大統領官邸で、公式の歓迎式典、大統領への表敬、首相との会見、国内の各界代表との出会いをされる。午後からは、ルーマニア正教会のダニエル総主教との会見、聖シノドのメンバーとの出会い、正教会カテドラルの訪問が続く。夕方、カトリックのカテドラルでミサを司式される。

 6月1日は、ルーマニア東北部モルダヴィア地方を訪問。午前にブカレストから、バカウを経由し、スムレウ・チュクの巡礼聖堂でミサを司式される。午後は、北東にあるヤシを訪れ、カテドラル訪問、若者や家族らとの集いを持たれる。夜、ブカレストに戻られる。

 6月2日は、中・北西部トランスシルヴァニア地方へ。午前、ブカレストからシビウ経由で、ブラジを訪問。同地で7人の司教殉教者の列福ミサをとり行われる。午後には、ブラジのロマ族共同体との出会いを行われる。夕方、教皇はシビウの空港での送別式を経て、ローマに戻られる。

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 教皇フランシスコはルーマニア訪問を前に、同国の人々にビデオを通しメッセージを送られた。

 メッセージの中で教皇は、ルーマニアでの、人々との出会いを喜び、同国民に心からの挨拶を述べられ、「美しく、もてなしにあふれる国、ルーマニアに、巡礼者、兄弟として赴きたい」と話され、大統領と当局による招待と協力に感謝を述べると共に、「ルーマニア正教会総主教とシノド、カトリック教会の司牧者と信者らとの出会いを楽しみにしています」と話された。

 また、聖ペトロと聖アンデレの絆に代表されるように、「信仰に基づく一致と同時に、殉教者たちの血による一致が、使徒時代からわたしたちを結びつけています」とされ、ルーマニアの多くの殉教者たちを思い起こす中で、今回の訪問で、「ギリシャ典礼カトリック教会の7人の司教たちを列福する喜び」に言及。「これらの新福者の苦難と犠牲を、忘れてはならない貴重な、共通の遺産として分かち合いたいと希望された。

 さらに、「人々と共に歩みつつ、ルーツや家庭を守り、子どもたちやそばにいる兄弟たちの未来に配慮し、恐れや疑念を乗り越え、他の人々と自分たちとを隔てる壁を打ち崩していきましょう」と呼びかけられた。教皇は、訪問準備にあたる人々に心からの感謝を表しながら、すべてのルーマニア国民に祈りにおける一致を約束され、祝福をおくられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年5月31日