・教皇、マダガスカルの指導者たちに「非人間的な貧困を生む、社会の不安定・差別是正」訴え

(2019.9.6 バチカン放送)

 アフリカ東部諸国を歴訪中の教皇フランシスコは、現地時間6日午後、第二の訪問国マダガスカルの首都アンタナナリボに到着された。

 アンタナナリボ空港で、教皇は、アンドリー・ラジョエリナ大統領と夫人の出迎えを受け、子どもたちの花束贈呈に続き、大統領と並び、歓迎式典に臨まれた。

 マダガスカルでの公式行事として、教皇は、7日に大統領官邸で大統領および各界代表との会見、市内の女子跣足カルメル修道会修道院で昼の祈り、カテドラルで司教団との集い、福者ヴィクトワール・ラソアマナリヴォの墓への巡礼、郊外の会場で若者たちとの祈りの前夜祭を行われる。8日日曜日には前夜祭の会場で教皇ミサ、アカモソアの「友情の町」訪問、神学院で教会関係者との出会いが予定されている。

 アンタナナリボに6日から10日まで滞在。9日は、モーリシャスの首都ポートルイスを日帰り訪問され、10日朝、ローマへの帰路につかれる。

 マダガスカルには、30年前の1989年6月、聖ヨハネ・パウロ2世が教皇として初めて訪問されており、教皇フランシスコは、同国を訪問した二人目の教皇となる。アフリカ大陸東部沿岸の近く、西インド洋に浮かぶマダガスカルへのキリスト教伝道は、16世紀にさかのぼる。現在、マダガスカルでは52%が伝統宗教、カトリック35%、イスラム教約7%、この他、プロテスタント、ヒンドゥー教などがある。

(2019.9.7 バチカン放送)

 マダガスカルを訪れた教皇フランシスコは7日、首都アンタナナリボの大統領官邸で、ラジョエリナ大統領と会談した後、各界の要人、駐在外交団と会見され、会見後、官邸内の庭にバオバブの苗を植樹された。

 教皇は会見で、「統合的発展」をテーマに挨拶され、独立後、安定と平和、民主主義の確立を担う人々に対し、「国の発展が単なる経済の成長に留まってはなりません。『真の発展』は、個人と全国民の発展を目指す、統合的なものであるべきです」と訴え、「あらゆる社会の腐敗や格差を生む取引と戦い、非人間的な貧困を生む、社会の不安定と差別を是正」する努力を求められた。

 また、「私たちの『共通の家』である地球を大切にすることなしに、統合的発展はありえません」と強調され、環境問題と社会問題の密接な関連を指摘された。

 

(編集「カトリック・あい」)

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2019年9月7日