・教皇、ノートルダム大聖堂火災に深い同情と祈りを表明

(2019.4.16 VaticanNews Devin Watkins)

 15日のパリ・ノートルダム大聖堂火災について、教皇フランシスコは16日、深い悲しみにあるフランスのカトリック教徒たちのため、パリの市民のため、そして、消火のために戦っているすべての人たちのために祈られた。

 バチカン広報省のアレッサンドロ・ジソッティ暫定長官はローマ時間16日朝、教皇の大聖堂火災について深く同情され、「この悲劇的な状況に必死に対応しようとしているすべての人」のために祈っておられる、と説明した。長官は、大聖堂の火災発生の直後、ツイッターで、「ノートルダム大聖堂はフランスと世界のキリスト教の象徴的な存在」、教皇は「衝撃と深い悲しみ」を示されいる、と述べていた。

 860年の歴史を持つ大聖堂の火災は現地時間15日夕に発生し、木造の屋根を引き裂き、尖塔を崩壊させた。消火には数百人の消防士が当たり、うち一人の負傷者を出して、発生から12時間以上たってようやく鎮火した。

 出火原因などについて、パリの検察当局が調査を始めた。警察は、火災が意図的なものでなく、過失によるもの、との見方をしている。

 ゴシックの傑作である外壁、聖堂正面、二つの塔は消失が避けられ、1730年製の有名なパイプオルガンも損傷を免れた。聖堂内の貴重品の多くも、消防隊によって守られた、という。大聖堂の主任司祭、パトリック・ショーべ師によると、イエスがご受難の時に被っておられた”玉座の冠“と、13世紀のフランス国王、聖ルイが着用されたと伝えられるチュニックも消失をまぬかれた。

 連帯と哀悼を表明するメッセージは世界中から寄せられている。フランスの司教団は、ノートルダム大聖堂は「首都パリを越えて広く影響を広めており、カトリックの信仰の主要な象徴になっている」とし、現在の聖週間を通し、キリストの御復活の希望に目を向け、信仰の旅として”生ける石”となるよう、全世界のカトリック教徒に促している。

  米ニューヨーク大司教のティモシー・ドラン枢機卿は、ニューヨーク市民はパリ市民と悲しみを共にしている、とし「現在の聖週間は私たちに、イエスのように、死は生をもたらすことを教えています。今日死んでも、復活することを私たちは信じています」と語った。

 コプト教会の指導者であるアレクサンドリアの教皇タワドロス二世は「ノートルダム大聖堂は世界の最も重要な記念碑の一つ。その火災は全人類にとって大きな損失です」と哀悼を述べている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年4月16日