(2018.7.5 「カトリック・あい」)BBCなど複数の欧米有力報道機関が伝えたところによると、教皇庁裁判所が6月23日、バチカンのワシントン大使館に参事官として勤務していた司祭に対して、児童ポルノ所持の罪で、禁固5年の判決を言い渡した。
有罪となったのはイタリア人のバチカン外交官、カルロ・アルベルト・カペッラ神父(51)で、児童ポルノの動画などの40件以上の画像をスマホに溜め込み、閲覧、交換していた。このような行為は2017年夏からなされ、昨年8月に、赴任国である米国の国務省からバチカンに、児童ポルノに関する法律に違反するバチカン外交官がいる旨の通報があり、バチカンは9月に召喚、裁判が行われていた。
米国務省は、通報時に、カッペラの外交特権はく奪を提示、米国の裁判所で裁かれる可能性もあった。またカナダの警察当局はカッペラの逮捕状を取っていた。
参事官は大使館で大使、公使に次ぐポスト。しかも駐米大使館という、バチカンが世界に置いている大使館で最重要の勤務地で、熟練のはずの外交官による、このような行為が米国側からの通報があるまで見過ごされていたわけで、バチカン国務省はじめ関係者に猛省が求められよう。