・世界のカトリック信者数は13億人弱と微増、世界総人口比は微減-バチカン統計(Tablet)

(2018.6.14 Tablet  James Roberts)

 カトリックの信者数の世界総人口に占める割合は低下―バチカンがまとめた2016年現在のカトリック教会の世界年次統計最新版が14日明らかになった。

 それによると、世界のカトリック信者の総数は2015年の12億8500万人から2016年には1.1パーセント増えて、12憶9900万人となった。ただし、同じ期間に世界の総人口はこれを上回る1.14パーセントの増加で74憶6700万人に達しており、世界人口に占めるカトリック信者の割合は2015年の17.73パーセントから2016年には17.67パーセントへとわずかながら低下した。

 地域別では、アフリカの信者が大幅に増える一方で、欧州、米国の信者数は頭打ちになっているのが特徴。アフリカは2015年の1億8500万人から一年で23パーセントも増えて2016年に2億2800万人と2億人の大台を大きく超え、世界の信者の総数に占める割合も17.6パーセントと2割に迫っている。アフリカの国別で信者数が最も多いのはコンゴ民主共和国で4400万人。ナイジェリアがこれに次ぐ2800万人だ。

 対照的なのが欧州で、世界の総信者数に占める割合は約22パーセントと2割超を維持しているものの、2010年から2016年の6年間の信者の増加率は0.2パーセントにとどまっている。

 アメリカ大陸の信者数の合計は、世界の総信者数の48.6パーセントと圧倒的だが、その57.5パーセントは南米、28.4パーセントは中米が占め、北米は14.1パーセントしかない。

 アジアの信者数は、アジアの総人口の約11パーセントで、この比率は2016年までの6年間ほとんど変わっていない。

 また、世界の司祭の総数は2016年現在で41万4969人。67.9パーセントが教区司祭、32.1パーセントが修道会の司祭だ。司祭数は2010年から2014年の4年間で0.22パーセントの微増となっていた。だが、2016年までの2年間では0.2パーセント減っており、地域別では北米が2.7パーセント減、欧州が2.8パーセント減と減少が目立ち、中東も1.7パーセントの減少。これに対して、中米、オセアニア地域は2パーセント増加。それ以外の、アフリカ、南米、アジアを合わせた地域は4パーセントから5パーセント増えている。

 10月に予定される全世界司教会議(シノドス)では、「召命」が大きなテーマとなるが、司祭への道を歩む召命者は世界的に減っており、世界の神学生の総数は2015年の11万6843人から2016年には11万6160人に。ここでも、米欧の減少に対してアフリカは2016年まで6年間で3.5パーセント増加と際立った対照を見せている。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

 

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2018年6月18日