・バチカンの聖ペトロ広場に今年もモミノキのツリーとプレゼピオを設置

 クリスマスを準備する「待降節」の訪れと共に、今年もバチカンの聖ペトロ広場に5日、ツリーとプレゼピオが設置され、ツリーの点灯とプレゼピオの除幕が行われた。

 聖ペトロ広場では夕方から、ツリーの点灯式と、プレゼピオの除幕式が行われ、式中、バチカン市国関係者、北イタリアの自治体首長たちの挨拶に交え、旗投げや、コーラス、楽隊演奏などが披露された。プレゼピオの除幕と共に、子どもたちによって馬小屋、続いてツリーの点灯が行われ、参加者たちは、輝くツリーと馬小屋のもとで、クリスマスの精神性を語る教会関係者の言葉や、合唱団の清らかなコーラスに耳を傾けていた。

 今年のクリスマス・ツリーは、イタリア北部ヴェネト州ヴィチェンツァ県ロトツォから寄贈されたオウシュウトウヒ。この秋、北イタリアは悪天候に見舞われ、ロトツォの森林も大きな被害を受けた。このツリーを伐採した場所には、森の再生のために40本のトウヒの苗が植えられるという。

 ツリーはバチカン市国の職員の手によって装飾がほどこされ、イルミネーションには、環境に配慮した低消費電力タイプの電球が用いられている。

 一方、広場のオベリスクの隣に造られた大型のプレゼピオ(イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型)は、北イタリア、トレンティーノ=アルト・アディジェ州トレント自治県スクレッレの人々によって製作された。今年のプレゼピオの特徴は、その大部分に木材を使用し、特に馬小屋の屋根に「スカンドレ」と呼ばれる伝統の板葺が用いられていること、また、聖家族を取り巻くように、素朴な山の暮らしの風景が展開されていること。

 広場のプレゼピオに加え、パウロ6世謁見ホールにも、プレゼピオが飾られた。このプレゼピオは、イタリア・ヴェネト州トレヴィーゾ県コネリアーノのグループによって造られた。ブロックを積み上げた、ゴシック型のアーチの中に、イエスの降誕が再現されている。

 ロトツォ、スクレッレ、コネリアーノの関係者、およそ600人は、12月5日、バチカンのパウロ6世ホールで、教皇との出会いを持った。教皇はクリスマスのシンボルであるこれらの贈り物に心からの感謝を表され、また、先日の暴風雨により深刻な被害を受けたイタリア北部にお見舞いの言葉を述べると共に、すべての人々に平和と兄弟愛に満ちたクリスマスを祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年12月6日