・バチカンの「Christus vivit ビデオ・プロジェクト」開始-若者たちの感性と創造力で

(2019.9.27 VaticanNews Alessandro De Carolis)

 「若者シノドス 」から1年、そして シノドスを受けた使徒的勧告「Christus vivit(キリストは生きておられる)」から半年がたったが、バチカンの「信徒・家庭・いのちの部署」と「広報のための部署」は、 ソーシャルメディアを通じて、この使徒的勧告がどのように世界中で受け止められ、生かされようとしているか、を伝えるビデオプロジェクトを始めた。

 自分たちの人生をどのように変えようとしているかを、この勧告の9つの章、299の項目から理解するのは、デジタルネイティブ の世代(幼い時からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代)にとって至難の業のように思われるかもしれない-自分たちの複雑な感情をスマイリー(絵文字)で表現したり、「ツイート」で意見を迅速に共有したりすることに慣れているからだ。

 だから勧告は、まさに火花を発する場ー教皇の言葉のもつ力強さと聴衆のマルチメディアの「召命」と結びつける場-なのだ。

 そして、この使徒的勧告は、ビデオでは26の主題を持ったエピソードに凝縮され、それぞれのエピソードの作成は、勧告が自分たちの生活にどのような影響を与えているかを示すことを目的に、様々な国の男女の若者たちに委ねられた。 画期的なのは、エピソードを作るのに、紙は使わず、約1分間づつの一連のビデオ証言を合わせた画像のコマと使ったことだ。そのようにして、プロジェクトは、バチカンの二つの部署によって生み出され、開発された。

 ここで公開されるビデオは、このプロジェクトを紹介し、代表的な見本を示すのが狙い。今後、年末にかけて毎週火曜日と木曜日に、短いビデオを2つずつ公開していく予定だ。若者たちから送られ、時々にが伝える感じ方は、最終的に「世界」のイメージを作り上げるモザイクの一つ一つのようになるだろう。

 その「世界」は、ミレニアル世代(西暦2000年前後か、それ以降に社会に出た世代)と、それに近い世代-信仰の問題と教皇フランシスコがこの使徒的勧告「キリストは生きておられる!」そして「キリストはあなたに生きているように望まれる!」で始められた課題に取り組む世代ーの「世界」だ。

 信徒・家庭・いのちの部署の長官であるケビン・ファレル枢機卿も、若者たちと同じように、短いビデオによる内省という形式を選び、同様の取り組みを始めた。彼は、聖パウロの言葉を使って確信を強調した。「あなたがた自身が、神の御霊によってあなた方の心に書かれた手紙。それは、イエスに従うように人を説得する、紙に書かれたものというよりは、私たち一人一人の心に書かれたものなのです」と若者たちに語ている。

 このビデオプロジェクトに参加する若者たちに与えられたキーワードは、「自由」。彼らが自分たちの話を「どのように」語るかについての、制限はなかった。求められたのは、彼ら自身の人生の経験を通して、「若者シノドス」が開かれた昨年10月の後で煮詰まって教皇の思いを、創造的に解きほぐすことだった。したがって、世界中から寄せられた様々な作品をVaticanNews の側で視覚的に改良を加えるような事後編集がされることはなく、それぞれの作品が、それぞれの若者の芸術的な感性と才能を表現している。

 その証拠はシリーズを構成するそれぞれのビデオ作品-多少洗練されたものから、 ビデオ撮影者の才能で作られたもの、特に何も飾り立てず、貢献し、自分たちの思いを共有するためだけに撮影したものまでーにある。

 創造的な奔放さと自発性… Christus vivit プロジェクトで肝心なのは、若い男女の言葉からもたらされるものに共通した、そのような”分母”だ。「キリストは生きておられる」と、彼ら一人一人が異なった仕方で語る。それは希望であり、夢であり、やる気だ。 教皇フランシスコが言われるように、それは”神の今”となるのだ。

(翻訳「カトリック・あい」ガブリエル・タン、編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年9月30日