・シノドス2日目:全体会議で「現実に耳を傾ける教会」など意見交換開始(バチカン放送)

(2018.10.5 バチカン放送)

 バチカンで10月3日開幕した「若者、信仰そして召命の識別」をテーマにした世界代表司教会議(シノドス)は、2日目の4日から、全体会議での本格的な発表と討議に入った。

午前中の全体会議は、シノドスに傍聴者として参加している一人の発言に耳を傾けることからスタートし、「若者たちは今、本質的に対話、正真性、参加を求め、自分自身をより理解するために、話を聞き、指導してくれる人々を必要としている」という証言があった。

さらに、「教会が若者を受け入れる時、互いの豊かさによって、教会自体も変わり、成長することができる」「若者の司牧を考える上で、愛や信頼、対話を教える家庭の大切さや、移民の若者たちを司牧者たちが父として助ける必要」などの意見も出た。

午前の全体会議の終わりに、各大陸から一人ずつ、「情報委員会」のメンバーが選任された。

 午後の全体会議の発表では、「新しい世代が世のパン種、光となり、平和と愛の文明の担い手」となれるように、「教会の宣教の刷新」が取り上げられた。

そして、まず、教会は「母」「家」として、声なき人の声を聞くように召されているように、「元子供兵士や、崩壊家庭の出身者、依存症、失業者、人身取引の犠牲者、職を求めての移民など、様々な状況に置かれた若者に寄り添う必要」が指摘され、「夢も信仰もなく、消費主義や、ジェンダーなどの新しい思想、極端な自由主義などによって、方向性を失った若者たちの現状」を挙げるとともに、「性的なテーマについて、キリスト教的観点から、率直に話すことが求められている」との意見も出た。

さらに、司教たちから、多くの若者は「堅信」の秘跡を受けた後に、小教区の共同体から遠ざかってしまうが、この問題に対し、「司牧の刷新」を強調する声も。「若者たちは、大人たちを現在の膠着した状態から助け、分裂し傷ついた世界で、預言的な交わりのしるしを教会が示すことを求めている」との指摘も出、青少年を「宣教の心臓部」とする声も出た。

未成年の虐待問題などで教会の信頼性が揺らぐ現在、「若い人々に司祭たちへの信頼を取り戻させることが急務」との認識も示され、カテキズムや典礼、信心業の重要さを再認識することの勧めや、活動主義だけにとらわれないように、「若者たちに祈りの重要さを教え、教会自体も若者たちのため、また召命のために祈ることが大切」との異見、若者たちの成長に応じた霊的指導の必要性が説かれるとともに、「霊的教育の上でも、多くの聖人たちの生涯は、今日も教会の模範であり続ける」との意見もあった。

(編集「カトリック・あい」)

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2018年10月6日