・シノドス第二週:教皇、若者たちに「カトリック教会に活を入れて」と

(2018.10.13 Vatican News Russell Pollitt, SJ)

 第二週に入ってる「若者シノドス」も週末を迎え、定例記者会見で全体会議参加者から説明や感想が語られた。

 メキシコから参加したコリナ・モルトラ・ロドリゲスさんは「私たち若者たちは、シノドスに参加でき、話す機会をいただいたことを、教皇フランシスコに感謝しています。参加は実り多く、皆が一緒にやっています」と語り、コーヒーブレークの時に、教皇から「若い人たちは”教会に活を入れ”なければなりません」「本音を語るように」と忠告されたことを明らかにした。「

*教会には「出会い」がない、だら若者が離れる

 ロドリゲスさんはまた、「若者たちは、移民や暴力、そしてあらゆる種類の虐待の問題など逆境に直面しても、あきらめない教会を望んでいます。慈しみを交わす場所であってほしいのです」と述べ、さらに、会議に参加している司教たちが教会で起き、二度と繰り返してはならない不祥事について襟を正して、謝罪したことに、若者たちがとても心を打たれことを強調した。その一方で、若者たちは、指図を受けたくない、寄り添ってほしい、と求めていること、出会いが欠けているために教会から離れたこと、自分たちがしていることを愛する人に出会っていないこと、などを指摘。「自分のしていることを愛するなら、自分の生き方を通して他の人に伝わるでしょう」「若者たちは、私も、ハリケーンのような信仰のエネルギーを-何か良いものをもたらす力を、分かち合いたいのです」と熱弁をふるった。。

 スペインのホアン・ホセ・オメラ枢機卿は「教会は多くのことを説き、宗教は前向きなもので、神を愛さねばならない、と語ります。それが為されているにもかかわらず、若者たちから、『あなた方は説教したことを実行していない』と苦情を言われます」とし、教皇フランシスコを引き合いに出し、「教皇は、話したことを、実際になさっておられます、真剣に、ぶれることなく。行き過ぎは排除されますが、それは教会も倣わねばなりません」と語った。

*アフリカでは若者の教会離れはない、教会を求めている

 南アフリカのフィルフリッド・フォックス・ナピエール枢機卿は「シノドスの討議要綱にはアフリカ問題がいくつかかけています。最終文書で触れていただくことを期待したい」と希望し、「欧米では若者たちの教会離れが起きているようですが、アフリカでは若者たちが教会を求めているのです」と欧米とアフリカの若者の実情の違いを指摘した。また、アフリカの若者たちは失業、貧困、移民問題の悩みを抱えていることを強調。

 「こうした問題は、触れられてはいるが、大部分がアフリカよりも欧州の状況の中で語られている。アフリカではまた、鉱物の盗掘など乱掘が、環境を悪化させている、という問題もある」。このようなことが重なって「生きていく術を無くした人々がアフリカを離れることを余儀なくされている」「(アフリカにいる家庭の中には)子供たちを学校に通わせず、働かせることで生計を立てている家庭もある。つまり、子供たちは教育を受けられず、貧困の連鎖が続く、という現状もある」。さらに、政府関係者の贈収賄や汚職が、アフリカの若者たちの福利厚生に大きな打撃を与えている、という問題も指摘した。

*教皇は常に敬意を払った聴いておられる

 オメラ枢機卿は、教皇がシノドスの全体会議に常に出席されていることに注目し、「教皇は皆の発言を聴き、ノートをとり、出席者がしていることが重要で意味のあることだと示してくださっています。いつも敬意を払い、どうやって皆の話を聴き、いつご自分が話すべきかを知っておられます」としたうえで、教皇が一度、皆が話したことをまとめ、ご自分にしっかりと取り込んだ、ということを話されたことがある、と語った。出席者たちが話をすると、教皇は彼らに顔を向け、それが若者、バチカン職員、司教、聴講者の別なく、注意深く耳を傾けられていることも、付け加えた。

 また、教皇がシノドスの冒頭に、出席者全員に、自由に話をするよう求められたこと、全体会議では出席者の好みでない話も出るが、一人ひとりが心から自由に発言するのが大事であること、も強調し、「自由な雰囲気があり、それは素晴らしいことです」と感想を述べた。

 今シノドスや全体会議とは直接関係ない問題に言及したナピエール枢機卿は、「教皇フランシスコとについての批判は、しばしばバランスを欠いている。あまり話されていないことで教皇がなさっていることはたくさんあります」と述べ、財務事務局で予算編成と説明責任が現在、どのようななされているか、(教皇フランシスコが就任する前の)過去には、なされていなかったことが、きちんとされている、と指摘した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年10月15日