・”サミット”二日目-「”交わり”に基礎を置いて説明責任を果たすべき」-女性報告者が訴え

(2019.2.22 VaticanNews)

 ”サミット”二日目の22日、教皇庁信徒・家庭・いのちの省の家庭局次長リンダ・ギソーニ博士が女性として初めて基調報告を行い、児童性的虐待による世界的な危機に対処するため協力して働く教会のあらゆる面での重要性を強調した。

 「お互いが積極的に話を聴くことを通して、今回の会合のような重大局面での会議が繰り返されないように、問題に取り組むことを、私は信じています。教会、神の民が、起こされたことに影響を受けた人々に適切に、責任をもって、愛をもって対応し、虐待阻止が”理想的な計画”に終わることなく、司牧的な対応として普通に行わるように、です」。

 博士の報告はこの日の主題である「説明責任」を基調とし、まず、説明責任の基本的な出発点として「虐待の認識と虐待の程度」を取り上げたが、説明責任には、決定に関する意見交換、教会指導者たちの判断についての「評価と報告」も含まれる、と指摘。教会における説明責任は社会学的な規範というよりも、 communionの神学的な概念に近い、とも説明した。そしてこのことは、洗礼を受けることで生じた権利と責任を生きねばならない神の民一人ひとりの、多様な環境と人生の段階に応じた役割を巡る、いつくかの神学的な問題を提起する、と語り、、叙階された聖職者、特に司教と司祭の関係についての正確な理解の重要性も指摘した。 

 そして、キリストにおける交わりとしての教会のビジョン-第二バチカン公会議の教えに基礎を置いた-はまた、多様な権威と聖職者たちの相互的なつながりの必要性も含み、神の民すべての活発な参加を求めている、と強調した。

 報告の締めくくりに、教会で説明責任を果たしていくため、認識で始まり、証明済みの方法について学び続ける必要があるとしたうえで、➀独立した会議の反復機能を持っが司教団への提示を含めた、説明責任を果たすための国レベルの手順のガイドラインの策定②そのような機関を推進し、適切に機能するようにする事務局の可能性③教会の案件の秘密保持のための法令の刷新―などを提案した。そして③について、透明性の権利と一層の透明性との均衡を図る必要性も強調。

 「キリストにおける交わりと分かち合う責任をもって、教会として、神の民として取られるべき可能な行動についてこれまで述べてきた考えはー具体的な理解と適用を強く求めるための、何よりも作業部会における内省と横断的な交わりの成果なのです」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

Dr Linda Ghisoni – “Communio”: To work together
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2019年2月23日