・”サミット”1日目、2日目の議論経過などに関する記者説明

(バチカン放送)

2019. 2.21 第一回説明

 「教会における未成年者の保護」をテーマにしたバチカンでの会議の初日の21日夕、第一回目の記者団向けブリーフィングが行われた。

 2月21日、バチカンで始まった「教会における未成年者の保護」をテーマにした司教会合にあわせ、聖ペトロ広場に近い、アウグスチノ教父学研究所のホールで、報道関係者らを対象に第1回目のブリーフィングが行われた。

 教皇庁立グレゴリアン大学の「未成年者保護のためのセンター」責任者で「教皇庁未成年者保護委員会」のメンバーであるハンス・ツェルナー神父は、「具体性」と「耳を傾ける姿勢」を、初日の会合の作業を特徴づけるキーワードとして示した。

 同神父は、会合は、皆で共に歩む意欲と、この機会の重要さ、テーマに対する責任の自覚のもと、充実した雰囲気の中に行われた、と述べた。

 教理省次官補佐で、この会合の実行委員会メンバーであるチャールズ・シクルナ・マルタ大司教は、被害者の証言は力あるものであり、わたしたちは皆、被害者の経験に耳を傾ける必要がある、と強調。「キリストの傷」に触れることは、自らの責任を担うこと、と話した。

 シクルナ大司教は、虐待のケースの際、特に小さな段階でこそ、司教らに問題を一人で抱え込むことをさせず、皆で動くことが大切である、と語った。

 「司教とは、安心の友であると同時に、子どもたちの脅威に対する敵でなくてはならない」と述べた同大司教は、「沈黙の文化は、理解はできても、許されない」と話した。

 また、虐待と同性愛の関係を問う記者の質問に対し、シクルナ大司教は、罪を犯しやすいカテゴリーというものは存在しない、わたしたちは皆が誘惑にさらされているからである、と述べた。

 

2019.2.22 第二回説明

 バチカンで開催中の「教会における未成年者の保護」テーマの会議について22日夕、2回目のブリーフィングが行われた。

 バチカンのシノドスホールで2月22日、「教会における未成年者の保護」をテーマに司教会合の2日目が行われた。

 同日、これと並行し、アウグスチノ教父学研究所のホールで、第2回目のブリーフィングが開かれた。

 この席で、ボストン大司教、教皇庁未成年者保護委員会議長の、ショーン・パトリック・オマリー枢機卿は、米国で「怠慢」が原因で起きた「恐ろしい危機」の後、教会関係者は常に「虐待のケース」を訴えることに努めていると述べた。

 「透明性」を教会の未来を表す言葉として示したオマリー枢機卿は、私たちは罪を消し去ろうとするのではなく、その罪としっかり向かい合わなくてはならないと話した。

 その上で、同枢機卿は、子どもたちや弱い立場の成人を苦しめる裏切り行為に立ち向かうためには、社会の関係当局との協力が不可欠と強調した。

 同じく米国から参加している、シカゴ大司教、ブレーズ・キュピック枢機卿は、今、様々な文化圏の司教らと共に行われているこの会合は、まさにメンタリティーの変化をもたらすだろうと話した。

 「会合が終わって帰る時、すべての参加者の意識は変えられているだろう」と同枢機卿は述べ、この集いを互いに意見をぶつけ合う機会としなくてはならないと語った。

 キュピック枢機卿は、虐待被害者らの勇気と証言にも感謝し、参加者らは皆、この会合が、司教に行動責任を自覚させるための具体的成果を望んでいる、と話した。

 このブリーフィングでは、前日午後とこの日午前までに、総会とグループ作業で扱われたテーマが示された。

 多くのテーマの中では、特に虐待の事件を減らすためのはっきりした対策の重要性、信徒の役割、小さな教会を助けるための専門組織の創設、沈黙せず、訴えることができるための意識醸成が挙げられた。

 また、グループ作業内では、一人の神学生がある神学校を追われ、別の神学校に受け入れられるといった、「漂流現象」をいかに避けるかということにも、言及があったという。

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2019年2月24日