・「平和と兄弟愛の巡礼者として」-教皇、モロッコ訪問へ

(2019.3.29 バチカン放送)

 教皇フランシスコは30日から2日間のモロッコ訪問を前に、モロッコの人々に、次のようなビデオ・メッセージを送られた。

「親愛なるモロッコ国民の皆さん アッサラーム・アライクム!(あなたがたの上に平和がありますように!)間もなく、私は皆さんの愛するお国に、2日間の訪問をいたします。この機会を与えてくださった神に感謝します。ムハンマド6世国王陛下の丁重なお招きと、モロッコ当局のお心遣いに満ちた協力に、深くお礼を申し上げます。

 教皇、聖ヨハネ・パウロ2世の足跡に従い、世界が非常に必要としている平和と兄弟愛のための、巡礼者として私は参ります。キリスト教徒、イスラム教徒として、私たちは、いつくしみ深い創造主である神を信じています。神は人間を創られ、兄弟として生き、互いの違いを尊重し、必要において助け合うよう、この世に置かれました。神は人間に、私たちの共通の家である地球を託し、責任をもってそれを守り、未来の世代のために保つよう願われました。

 ラバトでの出会いにおいて、この確かな思いを皆さんと直接分かち合うことができることは、私にとって喜びです。さらに、この旅は、モロッコのキリスト教共同体を訪問し、彼らの歩みを励ます、という貴重な機会を私に与えてくれるでしょう。また、この訪問で、移民たちとの出会いを持ちます。彼らの存在は、より正義と連帯に満ちた世界を共に構築する必要を訴えるものです。

 モロッコの親愛なる友の皆さん、皆さんの歓迎とお祈りに、今から感謝を申し上げると共に、皆さんと皆さんの愛するお国のために、私からのお祈りをお約束します。では、間もなくお会いしましょう」

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今回の訪問は、モロッコのムハンマド6世国王と、同国の司教団の招きに応えるもの。教皇フランシスコの海外司牧訪問(イタリアを除く)としては28回目、訪問国としては42国目となる。

30日午前、ローマのフィウミチーノ空港からモロッコの首都ラバトに向け出発され、現地時間同日午後、ラバト=サレ空港に到着。空港での歓迎式に臨まれる。

続いてラバト市内の「ハッサンの塔」の広場で、公式の歓迎行事に出席。同じ場所で、モロッコの各界代表および同国駐在外交団との会見される。この後、ムハンマド5世霊廟の訪問を経て、王宮ダール・エル・マクゼンにムハンマド6世国王を表敬訪問。イスラム教指導者と説教師の育成を目的とする、市内のムハンマド6世研究所を訪問し、諸宗教的集いに参加される。訪問初日の最後の行事として、ラバト教区のカリタス本部で、移民たちとの出会いを持たれる。

二日目の31日早朝、ラバト郊外テマラの農村社会福祉センターを訪問。聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会が運営するセンターの活動をご覧になった後、市内に戻り、カテドラルでモロッコのカトリック関係者、また同国のキリスト教諸教会の代表らとお会いになる。午後、スポーツ施設スタッド・ムーレイ・アブドゥラで、ミサを司式。夕方、ラバト=サレ空港での送別式を経て帰国の途に就かれる。

(編集・「カトリック・あい」)

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2019年3月30日