・「会議の最大の目的は、司教たちの『沈黙からの離脱』」と準備責任者・シクルーナ大司教

(2019.2.18 Vaticannews Barbara Castelli )

 21日からの「未成年者保護」を議題とする全世界の司教協議会会長たちの会議を目前に、バチカン報道局は18日、会議について、教理省長官補のチャールス・J・シクルーナ大司教が出席しての記者会見を開いた。

 大司教は今回の会議の組織委員会の委員でもあるが、会見ではまず、教会によって「少し前に行われた”旅”の一部」をなすものであることを確認したうえで、会議では「具体的な”フォロー・アップ”をする正しい条件を作り上げることが重要だ」と指摘。そして、「(注:会議に各国の司教協議会の代表として参加した)司教たちは、自分の教区に戻って作業を続けることになりますーそれは、対応の具体的手順を作成し、自分たちの責任をさらに認識することです」と、会議の後に、司教たちの果たすべき任務があることを強調した。

 会議の議題である「罪のない人々の保護」について、大司教は「(注:問題への対処を)やめてはなりません」とし、「教会が、どの人にとっても、特に子供たちにとって、安全な場所である」ための適切な解決策を追求する必要があり、この会議では、出席者たちが「道理をわきまえる」必要を明確にすることが期待されている、と述べた。

 また今回の三日間の討議で全ての問題を解決することはできないが、この会議で大事なことは「私たちが『沈黙の掟』から離脱すること。沈黙は容認できない」と力説した。

 この会見には、組織委員会の委員である米シカゴ大司教のブレイズ・J・キュピック枢機卿も出席し、多くの記者団の質問に答えて、今回の会議は「透明性に関する限り、新たな夜明けになる」と指摘、大半が各国の司教協議会の会長である参加司教たちは、この点に関する自分たちの責任を明確に理解せねばならないこと、しっかりとした「保護プログラム」がこれまで起きた悲劇を繰り返さないことを可能にすることを強調した。

 さらに、枢機卿は、会議出席者の多くが、教皇の要請を受けて、虐待の犠牲者たちに面会しており、教会に所属する者たちによって虐待の被害に遭った人々の”傷”を抱えてくることも、会議の持つ意味として指摘した。

 また、今回の会議で司会を務めるヨゼフ・ラッツインガー=ベネディクト16世基金理事長のフェデリコ・ロンバルディ師(イエズス会士)は会見で、「責務、説明責任、そして透明」を基調として行われる三日間の協議の進め方について次のように説明した。

 ➀バチカンのシノドス・ホールに集まった190名の出席者は、木曜日から土曜日にかけて、一日に三つの報告を聴く。

 ②九つの報告のうち三つは女性が行い、それぞれの報告を受けた質疑応答の時間が設けられる。

 ③出席者は、全体会議の後、使用言語別の作業部会に分かれて協議する。

 ④それぞれの日の初めと終わりに、虐待を受けた被害者による証言と祈りの時間を設ける。

 ⑤会議は木曜に、教皇フランシスコの基調講演をもって開幕し、日曜日のミサ後、締めくくりの挨拶をもって閉幕する⑥ミサは午前9時半にバチカンの王宮の間「サラ・レジア」で捧げられ、オーストラリア司教協議会会長のマーク・クラリッジ大司教が説教を行う。

 ⑥告解の祈りは土曜日の午後行われ、日曜のミサとともに、 Vatican Newsで実況中継される。

 また、ロンバルディ師によると、一連の行事とは別に、会議の組織委員会が被害者たちと被害者の団体の代表と会合を持つことになっている。

 会議の内容についての情報公開では、会議に関する公式のウエブサイト「 “Protection of Minors in the Church” Meeting www.pbc2019.org」を開設し、会議終了後も「会議後の具体的取り組みを発展させる手段」として利用できる事が説明された。教皇庁立グレゴリアン大学の児童保護センター長を務めるハンス・ゾルナー師(イエズス会士)は、バチカンの未成年者保護委員会の委員でもあるが、このウエブサイトは定期更新され、常に最新の情報が得られる、と説明。最後に、バチカン報道局の暫定局長補佐のシスター・ベルナデット・ライスが、会議を取材する記者やメディア関係者用に、デジタルの報道資料を配布した。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2019年2月19日