教皇、東京などに続き、メキシコシティ、パリ両教区の新大司教を任命(Tablet)

(2017.12.7 Tablet Christopher Lamb)

 教皇フランシスコが7日、世界のカトリック教会指導者の刷新の一環として、メキシコシティ、パリ両大司教区に新たなリーダーを任命した。700万人の信徒を抱える世界最大の大司教区であるメキシコシティの大司教にはカルロス・アギアル・レテス枢機卿が、欧州の主要大司教区であるパリの大司教にはミッシェル・オーペティ司教が就任する。

 オーペティ新大司教は、44歳の時に叙階された医療倫理学者で、2014年からナンテール司教。最近任命されたミラノのマリオ・デルピニ大司教、ローマのアンゲロ・デ・ドナティス司教総代理と同じく、慎ましい司牧スタイルで有名。バリ大司教任命も、政治的、教会経営的に重要な役割を果たす人物よりも基礎的なところから宣教活動を作り上げていく人物を重視する現教皇の新司教任命の路線の延長にある。

 一方で、アギアル枢機卿のメキシコシティ大司教への任命は、中南米の教会指導者としてこれまでも際立っており、順当と言える。中南米教会協議会の前会長であり、昨年、現教皇から枢機卿に叙されていた。教皇自身が、枢機卿として協議会が2007年に中南米での教会活動の基本を定めたアパラチア文書のとりまとめに重要な役割を果たした経験を持ち、アギアル枢機卿もその推進者だ。彼は「進歩派」「保守派」のいずれにも偏らない穏健な指導者として知られ、教皇庁立グレゴリアン大学で聖書学の博士号を取った神学者でもある。

  二人の人事は、教皇フランシスコが最近実施した世界の主要大司教区、東京(日本)、ブラッセル(ベルギー)、ミラノ(イタリア)、そしてニューアーク(米国)に続くものだが、これら6人すべてに共通するのは、「自分の羊たち(教区の信者たち)」のそばにいようとする志をもっている、ということだ。このことは、教皇が、枢機卿を新任する際に、これまで日の当たらなかった地域で活動する聖職者、自分の教区に必要な心の糧を行き渡らせようと努めている聖職者を選んでいることと共通している。

 (翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

→以上のような評価は菊地・東京大司教選任についてもなされている、と解釈していい。 菊地大司教の選任は、教皇フランシスコの世界の教会のリーダー選任に当たっての一貫した「基準」にかなったもの、とご自身が判断されているのだ。

 

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2017年12月12日